痩せようと思ったことがないまま120㎏に
――65㎏のダイエットに成功されたということですが、ダイエット前の体重はどのくらいあったのでしょうか?
小さい頃から食べることが大好きで、ずっとぽっちゃりな人生を送ってきました。痩せようと思ったことがないまま大人になり、気づいたら120㎏近くになっていました。
――痩せようと思ったことがなかったるはちさんが、ダイエットを始めようと思ったきっかけは何だったのでしょうか?
最初は痩せようと思ったわけではなかったんです。コロナ禍で仕事がフルリモートになり、家からほとんと出ない生活になったある日、万歩計を見たら1日に50歩しか歩いていなかったんです。その数字を見て、「さすがにこの体型でこの生活は、命に関わるかもしれない……」と焦りを感じました。それで動こうと思ったのがきかっけです。
――そうだったのですね。そこから何か運動を始められたんですか?
最初に頭に浮かんだのはウォーキングでした。ですが、とにかく外に出るのが嫌だったので、家の中でできないかと室内を10分くらい歩いてみたところ、全然おもしろくなくてすぐにやめました(笑)。それでウォーキングはあきらめてエアロバイクを買いました。
――エアロバイクなら家の中でしっかり運動ができますね!
私が買ったエアロバイクは、背もたれがついていて、タブレットを置く場所もあるものでした。なので気合いを入れてエアロバイクを漕ぐというよりは、タブレットでアニメを見ながらついでに漕ぐ、くらいのゆるい気持ちでスタートしました。
――ただ漕ぐだけより続けられそうですね。効果はありましたか?
最初は30分からスタートしたのですが、アニメの続きが気になって1日90分ほど漕ぐようになりました(笑)。全く動かない生活をしていたので、はじめて2週間ほど経った頃からぐんぐん体重が落ち始めましたね。
世の中の“一人前”の量を知り驚く
――ぐんぐんですか⁉️ それはすごいですね。
あまりに体重が落ちるので楽しくなってきて、その時に初めて、「痩せたい」という気持ちが芽生えました。そこで、当時38歳だったのですが、40歳までに体重を半分にするという目標を立てたんです。すでにエアロバイクで8㎏ほど落ちたところから、本格的に食事と運動を意識した生活に切り替えました。
――食事はどのように管理されたのでしょうか?
全く知識がなかったので、まずはダイエットに関する本を読みあさりました。その中で体型や体質ごとの痩せ方が紹介されている本に、「今のあなたはただのデブです。本気で痩せましょう」みたいなことが書いてあったんですよ!(笑) 言葉はきついけど、内容を読むとまさに自分のことだなと納得してしまいました。
当時の私の体重では、「細かいことは気にせずとにかく動く」「食べる量を適正にする」というようなアドバイスがありました。それで、本の中で紹介されていた『あすけん』をダウンロードして使い始めました。
――あすけんを使ってみていかがでしたか?
最初は食べたものをひたすら記録することからスタートしました。そうすると毎日カロリーオーバーするので、そこで初めて自分は食べ過ぎていたんだと気づきました。
食事記録をしていると、から揚げの一人前ってたった3つだったの⁉️ という発見もあったりして。それまで8個は食べていました(笑)。あすけんは食事の知識ゼロの私に、大切なことをいろいろと教えてくれました。
――食事管理をするようになり、どのように食生活が変わりましたか?
それまでは朝は菓子パン、ランチはしっかり食べてその後にお菓子、夕飯の後にもお菓子という生活でしたが、調整しやすい朝と昼を大きく変えました。朝食は主にヨーグルトとフルーツにし、プロテインも取り入れるように。昼食もカロリーを適正値内におさめるように意識しました。夕飯はパートナーと一緒に食べる大切な時間だったので、ここはなるべく自由度を高くしておきたかったんです。
自分の好きな食べ物で適正カロリー内に抑えようとするとどうしても量が少なくなってしまうのですが、たくさん食べたかったので、低カロリーで栄養価の高い食材を選ぶようになりましたね。減量中の多くの方がそうであるように、私も鶏むね肉をよく食べるようになりました。
――他に何か変化はありましたか?
ショウガ、オクラ、根菜が苦手で、食事管理を始めてからもほとんど食べることはなかったのですが、ある日ふとオクラを食べてみようかな、と思い口にしてみたらおいしかったんです。ショウガも少しずつ克服できたりと、苦手だったものが食べられるようになってきました。食生活を変えたことで、味覚も変わったのではないかと思っています。
久々に出社したら誰だか気づかれない!?
――それにしても-65㎏というのは、かなりの変化ですよね。体重、味覚以外にどのような変化がありましたか?
もともとアトピー体質で、100㎏を越えていた頃は肌荒れがひどく、夏でも肌が出せないほどでした。それが体重の減少と共によくなり、今ではほとんど気にならなくなりました。
あと、睡眠の質も変わりましたね。ダイエットに関する本を読むと必ずといっていいほど睡眠の重要性について書かれていたので、早寝早起きを心がけるようになりました。ダイエット前は布団に入ってもなかなか眠れず、明け方に寝て短い睡眠で仕事に行くという生活を送っていたのが、今は12時前にスッと眠れるようになりました。
――それはかなり健康的になられたということですよね。
そうですね。健康診断を受けたとき、医師がお腹のエコーをしながら、「脂肪肝がなくなっている!」と驚いていました。過去の体重を見て、「痩せてくれてありがとう」とお礼を言われたんです(笑)。脂肪肝がなくなったのは自分でもびっくりでしたね。
それ以外にも、便秘体質が改善したり、不規則だった生理周期が整ったりと、体の中から変わっていることを実感します。
――本当に体の中から整った感じですね。体重が半分になったことで、生活にも変化がでたのではないですか?
100㎏以上あったときは坂道を避け、常にエスカレーターを使っていた私が、今では毎週末2時間ほど歩いたり、登山にも行くようになったのだから驚きです。動くようになると外出や体を動かすことが楽しくなり、活動的になりました。
――登山が趣味に! それもすごい変化ですね。ところで、リモートをきっかけに体重が減ったということは、リモート明けに出社されたときはかなり驚かれたのではないですか?
そうなんです。久しぶりに出社したときは、いることに気づいてもらえませんでした(笑)。別人が席に座っていると思われていたようで……。今でも私だとわかっていない人がいたりします。ただ、あまりに痩せたので、病気かと思い触れられない人もいるようです。ダイエットしたとわかると、どうやって痩せたのかと必ず聞かれますが。
推し活がダイエット成功のモチベーションに!
――痩せていく中で停滞期はありましたか?
停滞期は3、4回ありました。エアロバイクを始めてぐんぐん落ちはじめた体重が、100㎏を切ったあたりでピタッと動かなくなりました。それが最初の停滞期です。
2週間ほど経ったときに停滞期について調べてみたら、長くて1カ月ほど続くということを知ったので、いつも通り食事管理と運動を続けて過ごしました。そうしたら、3〜4週間ほどたった頃にまた体重が減り始めました。停滞期は全てそんな感じで乗り越えてきましたね。
私が気が長い方というのもありますが、結局やるべきことは変わらないので、焦らずにいつも通りでいることが大事なんじゃないかと思います。
――現在も痩せた体重をキープされていますか?
はい。ただ、一番痩せたときよりも多少増えていますが、あまり体重にはこだわっていません。自分が納得できる外見であれば良いかなと思っています。
――体重ではなく自分が納得できるかどうかというのは、とても素敵な考え方ですね。
100㎏以上あったときは服も着られるものから選ぶしかありませんでした。でも今は、着たい服が着られるようになりました。好きなグループがいて、以前はライブTシャツを買っても飾っているだけでしたが、着られるようになって“推しコーデ”が楽しめるようになったのが痩せて一番うれしかったことですね!
――ご自身のダイエットを振り返ってみて、一番の成功の秘訣は何だと思いますか?
私はまわりの目や意見はあまり気にならないタイプなのですが、今回のダイエットは、自分が変わりたいと思ったので、自分自身のために痩せました。その信念が成功につながったのかなと思っています。
ダイエット後、「どうやって痩せたの?」と聞かれることが多く、痩せる方法を伝えることはできるけれど、結局はその人自身の気持ちが強くないと成功しないのではないかと思います。
――最後に、るはちさんのこれからの目標について教えてください。
とにかく健康でいたいというのが第一の目標です!
ダイエットの成功は自信につながりましたし、1つのステータスにもなりました。今後は仕事で結果を出したいという思いもあるので、そのためにも健康でいたいなと。元気じゃないと働けないですからね。
40歳で-65㎏のダイエットに成功したことで、「○○歳だからできない」ということはないんだということを実感し、何歳になってもやりたいことに挑戦する勇気が持てたのは大きな財産です。この体験を、誰かのお役に立てるようにアウトプットしていけると良いなとも思っています。
※本記事は個人の経験に基づいた内容になります。食事管理や運動は自身の体調を考慮して行ってください