徹夜続きの生活で体はボロボロに…
――ダイエットをはじめたきっかけを教えてください。
身長157㎝の私が70㎏を越え、体にいろいろな不調が出てきたことがきっかけです。2019年と2022年にそれぞれ半年間集中的にダイエットをして、2回で合計25kgの減量に成功しました。
――70kgまで体重が増えた原因は何だったのでしょうか?
私は漫画家をしています。当時は会社員をしながら漫画を描いていたので、睡眠時間を削って働き続ける生活をしていました。たびたびの徹夜に加え、睡眠時間が1時間以下の日も多く、それも寝室で寝るのではなく椅子で仮眠の日々。食生活もめちゃくちゃで、市販のお弁当や、ハイカロリーな食事が好きな夫に合わせて脂質多めの夕飯を食べたあとにお菓子をバクバク……。そんな生活を続けていたら、気付けば2年で10kg以上増えていました。
――食生活もですが、睡眠時間が少なすぎますね! それでは不調が出るのもわかる気が……
帯状疱疹、胆石、乾癬、血圧は150まで上がり、歩けば動悸がするという状態になりました。さらに胆のう炎のせいで食後消化が終わるまでものすごい痛みに襲われ、まともに食事を摂ることもできなくなってしまったんです。そして病院に行ったらメタボという診断も出て……もう散々です(笑)。このままではいけないと思い、痩せようと決意しました。
-13kg達成も「常にイライラしていた」
――そこまで不調が出ていたんですね。病院では食事指導などあったのでしょうか。
細かい食事指導はありませんでした。当時はダイエットについての知識もなかったので、まずは炭水化物を抜くことにしました。炭水化物を制限する場合、脂質の摂取はOKという情報をどこかで見たことがあり、それを信じて脂質は普通に摂っていました。
――運動もしましたか?
はい、ジムに通い、筋トレにスクワット、縄跳び、ウォーキングマシン、プールでのウォーキングも。それまで全然運動していなかったのですが、痩せると決意したからにはと、いろいろ挑戦しましたね。最初は意気込んで毎日通っていましたが、やがてジムは週に1〜2回、他の日は家で筋トレというペースに落ち着きました。
完全に自己流ダイエットでしたが、それでも半年で13kgの減量に成功しました。
――13kgの減量はすごいです。その後は維持できましたか?
仕事が忙しくなったこともあり、半年たった頃にダイエットをやめました。ですが気になっていた体調も思ったほど改善されず……。やめて2年半で3kgほどリバウンドしました。
あと、この頃は常にイライラしていました。体重は減りましたが、きっと栄養バランスが偏っていたんでしょうね。これはやはり食生活を見直さなくてはいけないと考えた時に「あすけん」を知りダウンロードしました。
でも最初に使った時は食事記録が続かずに挫折しています。
――続かない原因は何だったのでしょうか?
私の場合、食べた後に記録してカロリーがオーバーしていたり栄養が不足していると、達成できなかったという印象が強く残ってやる気がなくなることに気付きました。
そこからは、食前に入力し、栄養バランスを確認してから食べるように変えたんです。そうしたら、事前にコントロールできることもあって、食事記録のストレスが減りました。今は「食事予定入力機能」を使って、前日に3食分を登録しています。
――自分に合った使い方を見つけたんですね。
そうですね。周りでも食事結果を記録するやり方で続かなかったという人には、食べる前に入力してみることをおすすめしています。
食べた後に登録するのと違って自分でコントロールできるので、達成感が感じられるのが大きいですね。もし、予定していた通りに食べられなくても、それはそれ。あまり厳しくせず、できる範囲で行うのが継続のコツかと思います。
1週間先まで入力するのはハードルが高いですが、明日食べるものを決めるのはそんなに難しいことではないですよ。
再び、半年間集中的にダイエット!
――そこから2回目のダイエットに繋がっていくのでしょうか?
リバウンドとともに体調が悪化したこともあり、再び半年間集中的にダイエットをするスケジュールを立てました。2023年4月スタートと決め、2カ月前から準備を始めました。期間を半年と決めることでダラダラと過ごすのではなく、その間集中して減量します。
――すごく計画的にダイエットをされたのですね。どのような準備をしたのでしょうか?
1回目のダイエットの経験から、私の場合、1日の中でダイエットに費やすのが3時間ということがわかりました。結構な時間ですよね。なので、その3時間をどう捻出するかを考え、仕事をできるだけ前倒しで進めるなどして時間を作りました。
あとは空いた時間でダイエットに必要な知識をインプットしたり、どうして痩せたいんだっけ? と改めて考えて、生活を見直したりと、心の準備期間という意味もありました。座りっぱなしの漫画家が痩せるのは、なんとなくではできないんですよ(笑)。ダイエットって自分自身とものすごく向き合う作業なので、心構えが大事だと思っています。
――2回目のダイエットはどのように進みましたか?
1カ月-2kg、半年で-12kgを目標に設定し、食生活を徹底的に見直しました。具体的にはあすけんに毎日記録し、栄養バランスを確認して食事を摂るようにしました。
運動はストレッチ、筋トレ、踏み台昇降など自宅でできるものを中心に、1日おきに行いました。仕事柄、1日の大半を座って過ごすため、“座っていても脂肪が燃える体”を作ることを目指すことにしたんです。そのために体脂肪を下げて、筋力アップを意識しました。
あと、極度の冷え性なこともあり、体を温めるためにもお風呂に毎日1時間入りました。食事管理、宅トレ、入浴の3つを軸にダイエットに取り組みました。
塩分量を意識してむくみが激減
――食生活を意識したことで効果的だったことはなんですか?
食事管理をしっかりするようになってわかったのは、塩分の影響の大きさです。体質的にむくみやすく、ひどいと歩けないこともあるくらいなのですが、塩分量を意識して控えるようになってからは驚くほどむくみが減りました。
それまではトイレに行く回数も少なかったのですが、塩分を控えたら回数が増えました。体から水分が抜けたからか、体重も減りましたね。
――塩分を減らすためにどのような工夫をしましたか?
気をつけたのは調味料を減らすことと、調理法ですね。サラダを食べる時はドレッシングやマヨネーズはやめて、酢、オリーブオイルで味付けをします。
調理法については、例えばかぼちゃは煮込むと味付けで塩分量が増えるので、オリーブオイルで焼いて、酢で食べるようにしたり。野菜は酢で食べるとすごくおいしいんですよ!
以前はお刺身にべったりお醤油をつけていたのですが、今は端っこに少しつけるくらいでおいしく感じます。舌がすごく変わりました。
――塩分をそこまで控えられるのはすごいですね。
でも、減らしすぎるとミネラルが足りなくなるので、それはそれでよくないんですよね。なので、日々あすけんで確認しながら調整しています。
――目標だった12kg減を達成されましたが、停滞期はありましたか?
何週間も落ちないという停滞期はありませんでした。数日間体重に変化がなかったら、食事や運動の内容、食べ方を変えてみたり。減らない時はそれなりの理由があるでしょうから、その原因を突き止め改善することを繰り返しました。
ダイエット中に意識したのは、栄養バランスを見ながら食事をしっかり食べることと、ストレスを溜めたままにしないこと。毎日をなんとなく過ごさず、半年間という限られた期間の中でいかにできることやるかということを考えていました。
人生初の“華奢”にガッツポーズ!
――ダイエット成功後はどのような変化がありましたか?
ありきたりですが、洋服の幅が広がったのはやっぱり嬉しいです。太っている頃は少しでも細く見せたくて黒い服しか持っていなかったんですよ……。でも、せっかく痩せたのだから色があるものを着てみようと、パーソナルカラーと骨格診断を受けて、似合う服や色を教えてもらいました。
買い物に行ったら、お店の方に「お客さま、華奢だから着られますよ」と言われたんです。人生で初めて言われた華奢! その場では我慢して、お店を出た瞬間に「やったー!」とガッツポーズです(笑)。
――健康面の変化はどうですか?
ものすごく元気になりました! 太っている頃は生理もほとんどなく閉経間近なのかと思っていましたが、毎月しっかりと来るようになりました。以前はPMS症状もひどく、生理中は常に眠気に襲われ怠かったのですが、それもなくなりました。
ずっと悩んでいた乾癬も改善し、ボロボロだった肌がきれいになったのも嬉しいです。見た目が変わったことで外出もしやすくなり、太陽を浴びるようになったのも良い影響を与えているのだと思います。
――最後に、今後の目標を教えてください。
ダイエットという意味では目標をクリアしましたが、私は今後も座って暮らすことを考えると、動かなくても脂肪が燃える体をいかに維持し続けられるかが課題です! 忙しくなると生活がおろそかになりがちなので、気をつけていきます。
ダイエット以外では旅行や家庭菜園、趣味のドール服作りなど、人生を豊かにしてくれる時間を大切にしていきたいです。もちろんお仕事も! 現在連載しているダイエット漫画を書籍化できたら嬉しいですね。ぜひ期待してお待ちください(笑)。
※本記事は個人の経験に基づいた内容になります。食事管理や運動は自身の体調を考慮して行ってください