サラダをたっぷり食べてやせる人とやせない人の違いはどこにあるのだろうか。管理栄養士の森由香子さんは「せっかくサラダをたくさん食べていても、市販のドレッシングをいっぱいかけていたら、野菜というより、むしろ大量の油と塩を食べているようなもの。太る一因になる」という――。(第3回/全4回)

※本稿は、森由香子『ダイエットしたい人のやせるキッチン』(青春出版社)の一部を再編集したものです。

キッチンに常備しておきたい「やせる食材」

「これがあるとやせやすくなる」という、ぜひ常備しておきたい食材があります。

それが、のり、もずく、めかぶ、昆布、わかめなどの海藻類です。

これらは、いずれもカロリーが低く、ミネラル分や水溶性食物繊維も豊富で、とてもヘルシーな食材です。味わいもしっかりしているので、小腹がすいたときに食べると満足感が得られます。

こうした海藻類がないと、お腹がすいたときについついポテトチップやカップラーメンなどに手が出てしまいがち。そうした太りやすい食品は極力買うのをやめて、ぜひ海藻類を常備するようにしてください。

海藻のイメージ
写真=iStock.com/Jonathan Austin Daniels
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オリーブオイルのカロリーは他の油と一緒

私たちが日頃からよく口にしている食材には、とにかく健康にいいと誤解されているものがいくつかあります。

その代表がオリーブオイル。一般的な植物油に比べて体に良い油と信じられていて、サラダにスープにと、何にでもかけてしまう人がいます。

確かにオリーブオイルはポリフェノールやβ‒カロテンが豊富なので、適量とるとアンチエイジング効果が期待できます。しかし、肝心のカロリーは他の油と一緒です。

たくさん食べていれば、当然肥満の原因になってしまうでしょう。

いつでも使えるように、オリーブオイルをしゃれた小瓶に入れて食卓に置いている人もいるようですが、やせるキッチンとしてはとてもおすすめできません。オリーブオイルも油は油。必要最低限を使用するようにしましょう。

肉ならやせやすいとは限らない

昨今の「たんぱく質ブーム」の影響もあってか、努めて肉類を食べるようにしている人が増えています。これ自体は決して悪いことではないのですが、どんな肉を食べているかによって、太りやすくもやせやすくもなります。

バラ肉、脂身や皮がたくさんついている肉、サシの入った牛肉などが太りやすい食材というのは皆さんもご承知だと思いますが、意外と油断してしまうのが、ひき肉。

ひき肉の問題は、100g単位でカロリーを比較してみれば一目瞭然です。

豚ひれ肉118kcalに対して、豚ひき肉209kcal。
鶏むね肉(皮なし)105kcalに対して、鶏ひき肉171kcal。
牛ひれ肉(国産)177kcalに対して、牛ひき肉251kcal。

いかがでしょうか。特に豚肉などは、ひれ肉よりひき肉のほうが倍近くカロリーが高いのです。

ひき肉には、ロースの切れ端や鶏の皮なども入ることが多いため、どうしても脂質が多くなる傾向にあります。

ひき肉料理は、お子さんも好きだし、肉が比較的苦手な人でも食べやすく、常備している人が多いようです。でも、ひき肉料理ばかり食べていると、知らず知らずのうちに体脂肪率が上がってくる可能性があるでしょう。

脂質のとりすぎは、健康にも悪影響を及ぼします。ひき肉料理は食べすぎに注意して、1週間に1回くらいにとどめておきましょう。

ひき肉のイメージ
写真=iStock.com/bhofack2
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サラダをたっぷり食べてやせる人、やせない人

やせるために、健康のために、毎食たっぷりのサラダを食べているという人がいます。

一見、聞こえはいいのですが、そういう人が必ずやせているかというと、実際にはそうとも限りません。

サラダをたっぷり食べているのにやせない人とやせる人、その違いはどこからくるのでしょうか。

ポイントは、ドレッシングです。やせにくい人、かえって太る人は、たいがい市販のドレッシングを使っているものです。

市販品は味も工夫されていておいしいのですが、多くの場合、油が2に対して酢が1で作られています。たっぷりかければそれだけ油の摂取量が増え、カロリーは上昇してしまいます。味が濃く塩分も多いため、これも太りやすい一因になります。

つまり、せっかくサラダをたくさん食べていても、市販のドレッシングをいっぱいかけていたら、野菜というより、むしろ大量の油と塩を食べているようなもの。とても健康的とはいえません。

お手製ドレッシングがおすすめ

一方、やせやすい人は、油の比率を減らしたお手製のドレッシングを使っている人が多いようです。

私のおすすめは、油と酢が1対1。塩、こしょう、しょうゆなどの調味料も少なめにして、野菜そのものの味を味わうようにするとよいでしょう。

ドレッシングは作り置きせず、食べるときに少量の酢、オイル、塩、こしょうを振るだけでも、十分にサラダをおいしくいただけます。このとき、レモンやかぼす、ゆずなどの柑橘類をぎゅっと絞ると、塩分をさらに控えめにできます。

サラダにオイルをかけるイメージ
写真=iStock.com/miniseries
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マヨネーズのカロリーを抑える秘訣

マヨネーズは、できるだけ控えてほしい調味料の代表的存在です。大さじ1杯80kcalもあり、毎食のように使っていたら、カロリーの蓄積は相当なものになります。

森由香子著『ダイエットしたい人のやせるキッチン』(青春出版社)
森由香子『ダイエットしたい人のやせるキッチン』(青春出版社)

実際、太っている人にはマヨネーズをよく使う方が少なくありません。何にでもマヨネーズをかけないと気が済まない、いわゆる「マヨラー」の方には、「使う量を減らしましょう」と言っただけではなかなか減らしてもらえません。

そこで私は、マヨラーの方にはマヨネーズのカロリーを抑える秘策をお伝えしています。

マヨネーズを器にとったら、無脂肪ヨーグルトで薄めるのです。薄ければ薄いほどカロリーは減らせますが、最初は少しずつ薄めるのでよいと思います。

ただし、おいしくなければ長続きしないので、塩麹を少し加えてください。コクを保てる上に、有用菌(いわゆる善玉菌)が追加できます。腸内環境を良くする働きもプラスされ、一石二鳥です。

味覚には“慣れ”もあります。最初は「物足りないな」と感じても、しばらく続けているとちょうど良く感じるようになってくるものです。

ポテトサラダやタルタルソースなどを作るときも、ぜひ応用してみてください。