ベストコンディションを保つため1日1食を続ける、ナグモクリニック総院長 南雲吉則先生が若々しくやせる方法を伝授。

多くのダイエット法は間違い。カロリー計算は、カロリーが低い糖質のほうがカロリーの高い脂肪よりも太りやすいし、ヘルシーと思われがちなベジタリアン食には穀物や果実など、脂肪に変わるものがたくさんある。血糖値が上がらない低GI食品がいいというけれど、果物の果糖は血糖値は上がらなくても、ダイレクトに中性脂肪が増えます。僕がおすすめしたいのは、1日1食を抜いて“プチファスティング”の状態をつくること。そのかわり夕食はカラダにいいものをたっぷりと食べる。

僕の夕食はボウルいっぱいの色の濃い葉野菜→豆→肉と順に食べていきます。ドレッシングは悪い油と塩と砂糖と化学調味料の固まり。僕はオメガ3のオイルと香酢で野菜をよく揉み込んで食べています。お豆は普通に食べて、肉は好きなものを食べます。脂肪をよけるということはしません。脂肪とタンパク質の両方を摂っても、糖質を摂らなければ、脂肪細胞の中にあるHSLというホルモン感受性脂肪分解酵素が働くので、体内の脂肪が分解されるんです。

そして好きなもの、糖質を食べていい「チートデイ(ズルをする日)」も週に1回ならOK。それが週2日になったら、それは糖質依存の傾向があります。ただ、僕の場合、チートデイの翌日は朝起きられなくなります。穀物をたくさん食べるとカラダが冬眠状態になるんですね。

お酒はブランデーやウィスキーなど蒸留酒がおすすめ。僕は焼酎を食物繊維を多く含むごぼう茶で割って飲んでいますよ。

カラダがしっかりと空腹を感じてから食べること

人間は空腹があって初めて食欲がわくもの。だから1日1回はお腹が鳴るような空腹を感じてほしい。胃腸の病気があるときは、お腹は鳴りません。お腹が鳴るのは食事を入れてくださいというカラダからのサイン。お腹が空いてないときに食べたものは栄養ではなく、脂肪になるだけ。鳴らないうちは水分だけを摂って、消化管を休めましょう。

<脇腹がつまめたら、ダイエットのしどき>

上半身を横にくの字に曲げて、脇腹のお肉がつまめるなら、食事を摂るよりも先に脂肪を消費することを考えましょう。また、朝ガムを噛んで、唾液が多く出たら、前日に摂った水分が排出できていない証拠。ガムを噛みながらよく動き、末梢に溜まった水分を排出しましょう。

<3回お腹が鳴るまで我慢してアンチエイジング!>

「お腹が鳴ると恥ずかしいと思って、つい目の前にあるものを食べてしまいがちですが、それはもったいない」と南雲先生。我慢の目安は3回。1回お腹が鳴るごとに、下記のような効果があるそう。

▼お腹が1グ~で肌が若返り!
1回お腹が鳴ると、若返りホルモンと呼ばれる成長ホルモンが出て、肌や消化管が若返るそう。「外見も若くなるし、腸内環境も改善されてキレイになります」

▼お腹が2グ~で遺伝子が若返り!!
「2グ~のときは長寿遺伝子や抗老化遺伝子とも呼ばれるサーチュイン遺伝子が活性化します」。これにより、細胞の中の遺伝子が若返るのだそう。

▼お腹が3グ~でで脂肪燃焼!!!
「3回お腹が鳴ると、脂肪細胞がアディポネクチンを分泌し、血管を若返らせてくれます」。冷え症の改善や、肌の色やツヤが良くなるという効果もあるそう。

<南雲先生の一日の食生活>

朝:オメガ3のオイルでプリング
朝起きたら小さじ2杯分ぐらいのカメリナオイルを口に含み、クチュクチュと口をすすぐと、歯周病菌による粘つきや、茶渋などが取れます。

昼:お腹がすいたらコンビ二のおつまみを
お腹が空いたら、眠くならない低糖質のものを。コンビニのおつまみコーナーにあるナッツ、チーズ、小魚、イカなどがおすすめです。

夜:野菜と肉中心の食事を
僕はボウルいっぱいの野菜を食べたら、次に豆を食べて、最後に肉を食べます。糖質はなるべく摂らないように気をつけますね。

<野菜とタンパク質はたっぷり食べよう!>

両手いっぱいの野菜+手のひらからはみ出る程度の肉(イラスト=別府麻衣)
▼1日1~2食の鉄則

1. 糖質に注意
白米、パン、麺、砂糖と小麦粉でつくった菓子。この精製された白モノ5品目とポテトは食べてはいけないと南雲先生。「穀物を食べたいときは全粒を。果物を食べたいときは皮ごと食べましょう」
2. 悪い油に注意
「トランス脂肪酸には、発ガン性があるといわれています。オメガ6のサラダ油は体内に炎症を起こし、アトピー性皮膚炎や膠原(こうげん)病、婦人科疾患などの原因に。油は新鮮なコールドプレスのオメガ3を」
3. 塩・化学調味料に注意
「塩化ナトリウムである塩と、グルタミン酸ナトリウムである化学調味料は依存性があるだけでなく、高血圧やガンのもとにも。黒酢などの発酵調味料や出汁のうまみで味付けするのがおすすめです」
南雲吉則
医学博士 乳腺専門医/ナグモクリニック総院長。バスト専門のナグモクリニック総院長としてテレビや雑誌などさまざまなメディアで活躍。主な著書に『「空腹」をチャンスに変える!ナグモ式食べ方革命』(世界文化社)など。