オフィスにはいろいろな女性がいます。中でも管理職には、好きになれないタイプもいれば、ロールモデルにしたいタイプもいるでしょう。 同じ女性上司でも、「お局型」と「憧れのロールモデル型」では、どこに差があるのでしょうか。働く女性たちに話を聞きました。

今を受け入れないのが“お局型、新しいものを取り入れるのが“ロールモデル型

「お局型の女性上司は何かにつけて『私の時代は……』『昔はこうだった……』と言って今を受け入れようとしません。しかし、ロールモデル型の女性上司は新しいものを吸収しようとしてくれます。自分が分からないことなら、部下に『教えて!』と素直に尋ねる姿勢をとっています」(32歳/建設)

自分が今まで経験してきた時代は大切なものだと思います。ただ、お局型はそれらにこだわり過ぎてしまうのでしょう。時代は常に流れていくものなので、今を受け入れる気持ちが大切ですよね。過去は過去で大切にしつつ、新しいことにもぜひ目を向けてもらいたいものです。

職場に長く在籍し、全体の取り仕切る立場になった時こそ、自らの振る舞いを見直すべき。あなたは「お局型上司」と思われていませんか?

仕事を振らないのが“お局型、仕事を振って成長させてくれるのが“ロールモデル型

「お局型の女性上司は部下に仕事を振らず、全て自分でやってしまう。ロールモデル型の女性上司は仕事を振ることにより、仕事ができる人間に育ててくれます。

お局型の場合は『私がやった方が早い!』という思いが強いのでしょう。もちろん、手慣れた人がやった方が早いです。しかしそれではいつまで経っても部下が育ちません。ロールモデル型は『この仕事なら任せられる』という仕事をきちんと見極めてくれますし、ミスがないよう常に進捗を確認してくれます。だから部下は安心して仕事に取り組めますし、成長も早いです」(29歳/IT)

仕事に不慣れなうちは、どうしても時間がかかってしまいます。でも、そこをグッとこらえて成長を促すのも上司としての仕事。部下が成長すれば、それだけ業務分担の余地が増えるため、全体の効率が良くなります。

自慢話しかしないのが“お局型”、失敗談も交えるのが“ロールモデル型

「自慢話ばかりを繰り広げて得意げなのがお局型の女性上司、自分の失敗話も交えて面白おかしく話してくれるのがロールモデル型の女性上司です。職場のお局型の女性上司は『あの仕事のトラブルは私が解決したようなものなのよ』『私がいないと、仕事が回らないのよね』と、過去の栄光や自分の必要性をやたら主張してきます。

でもロールモデル型の女性上司は『私ったら、新人のときにこんなミスしちゃって(笑)』『あのときは上司にガツンと怒られて泣いちゃった』と、雑談の中に自分の失敗談を交えて笑わせてくれます。話を聞いているうちに『そういうミスがあるんだ、気を付けよう!』と思えてくるので、ただの雑談でも勉強になることがたくさんあります」(35歳/保険)

上の立場になると、プライドが邪魔をして過去の失敗を隠したくなるものです。でも、失敗した経験を話せば部下が同じ失敗をしないよう気を付けるようになるでしょう。自慢話だけでなく、失敗談も話せることが親しみやすい上司への第一歩と言えそうです。

感情的に怒るのが“お局型、冷静に指導するのが“ロールモデル型

「失敗した人に対して『どうしてこんなミスしたの!』『なんでこんなことになる前に報告しなかったの!』と、感情的に怒るのがお局型の女性上司。『ここのミスの原因はなんだったのかな?』『次は最初の段階で報告してね』と、冷静に指導するのがロールモデル型の女性上司。

お局型は叱るだけ叱って『もういいわ!』と、その後に必要な指導をしないんです。怒られるのはいいんですけれど、指導がなければ次も同じ失敗をするかもしれない。ロールモデル型は『なぜこうなったのか』を分析しますし、失敗した本人が気付いていないミスのきっかけや今後の対策を指導してくれる。だから『次こそ頑張ろう』という気持ちになれます」(30歳/アパレル)

部下の失敗にイライラしてしまうことは仕方がないと思います。でも、そのイライラをぶつけても部下は育ちません。ミスの原因や対策を考えさせるにしても、正しい考え方が分からなければ自分では気付けないこともあるでしょう。そこは上司として導いてほしいところです。

ちょっとしたことで大きく差が開いてしまうお局型女性上司とロールモデル型女性上司。うっかりすると、知らない間にお局型となってしまうかもしれません。信頼され、憧れられる上司になれるよう、気を付けたいですね。

神之れい(かみの・れい)
兵庫県神戸市在住のライター。1984年11月5日生まれ。ライターとは無関係の短大へ進学、一般企業で5年ほど勤めた後にライターへ転身。女性向けウェブ媒体で恋愛コラムを中心に執筆中。