いきいきと過ごす休日の達人たち。彼女たちは日頃どのようにオフを生かして、コミュニケーション力を磨いているのか。仕事につなげられるヒントがここにあります。

世界を旅した経験を活かし0~12歳のスクールを開校

インスピレーションを求めて10代の頃からよく旅に出かけていたというリナ・ボヴリースさん。アフリカの奥地や北極など、行ってない国がないほど世界中を旅してきた。

8歳になる息子の母でもあるリナ・ボヴリースさん。親子で既に40カ国以上旅している。

「私の旅は、毎回インパクトの強い濃い旅。必ず旅先で新しい生き方を発見します。いろいろな価値観の方に出会いますが、旅をたくさんしてきたので、相手がどんな人か自然とわかるようになりました。相手が何に価値を置いているか見極め、同じ目線で話をする。それが楽しくコミュニケーションをとる秘訣だと思います」

自身の旅の経験を活かし、4年前に幼児向けのインターナショナルスクールを開校した。音楽やダンス、動植物や料理など、世界約80カ国の文化を子ども達に伝えている。

「人種差別や戦争など、今、世界がおかしくなってきています。それは文化を理解していないから。お互いを知り、尊重できれば、差別や偏見はなくなるはずです。幼児期からさまざまな文化を感覚教育で覚えていけば、相手を攻撃することも嫌うこともありません」『平和な世界』を理念に開校したスクールのアイデアは、やはり旅先で生まれたものだ。

【From PROFESSIONAL】旅のプロに学ぶコミュケーション術

「まずイエス。ノーとは言わないサービス」。それがホテルオークラ東京の基本姿勢です。ただ、やはり応えられない場合もあります。その時は代替案を提示するようにしています。

お客様には、何はなくともまずスマイル。お客様の緊張がやわらいで距離が近づきます。そしてアイコンタクト。もし名前がわかれば、名前を会話に盛り込むとパーソナル感が増します。ホテルには初めて日本を訪れる方も多くいらっしゃいます。民間外交官の意識を持ってお迎えし、接遇を行っています。

リナ・ボヴリース
CHATEAU SCHOOL CEO 代表取締役社長。
日本国籍。NYやパリなどで教育を受ける。大学卒業後、シャネルのマーケティングなどを経て、2011年、新しいコンセプトのインターナショナルスクールを表参道に創立。今春、外資系投資企業となり、世界展開するスクール「JEWEL BOX」を六本木ヒルズエリアにオープン。
浜崎 統
ホテルオークラ東京チーフコンシェルジュ。
1998年ホテルオークラ東京に入社。ベルマン、フロント、客室予約を経て、2007年にゲストリレーションズに配属。2011年、チーフコンシェルジュに。12年、コンシェルジュ国際ネットワークのレ・クレドールの会員として入会。

撮影=星野泰孝