“次世代”を代表する期待の美男子を写真とインタビューで紹介する、というコンセプトの連載「次世代イケメン紳士録」。Windows 10 Mobileスマートフォン「NuAns NEO」が発売目前! IT・通信業界で大きな注目を集めるトリニティの星川社長のインタビュー、後編をお届けします。

「次世代美男子紳士録」は、さまざまなジャンルで“次世代”を代表するであろう期待の男性、しかもイケメン(!)を厳選してご登場いただくというインタビュー連載だ。インタビューを担当するのは森 綾、写真は人物撮影を得意とするカメラ(ウー)マンのヒダキトモコ、そしてPRESIDENT WOMAN Onlineの女性編集者という、女ばかりのチームでお届けする新企画である。

トリニティ株式会社代表取締役 星川哲視さん

今回は、トリニティ株式会社代表取締役の星川哲視(ほしかわ・てつし)さんインタビューの後編をお送りする。Windows 10 Mobileスマートフォン「NuAns NEO(ニュアンスネオ)」が発売目前、最近IT業界で大きな注目を集めているトリニティ。創業10年、若き星川社長が今考えていることとは……?

埼玉から世界へ! スマホ「NuAns」が注目のトリニティ代表・星川哲視さん【前編】

製品で世界に打って出る!

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「NuAns NEO」は、iPhoneでもAndroidでもない、Windows 10 Mobileスマートフォン。外部ディスプレイをつないでWindows 10パソコンのように使えるという最新機能に対応しながら(上)、カフェなど日常のシーンに溶け込む柔らかなデザインで(下)、カバーではなくスマホ本体を着せ替えられるという画期的なスマートフォンである。

日本でもまだ珍しいWindows 10 Mobile対応スマホを売り出すトリニティ。代表取締役である星川さんは、その市場は海外にも大いにあると見ている。

「1月にはアメリカ・ラスベガスでCESというデジタル家電ショーが、2月にはスペインのバルセロナでMWC(モバイル・ワールド・コングレス)という大きなイベントが開催されます。こうしたイベントに出展し、海外展開を狙っていることもあって、海外セールス担当を真剣に探しているんですよ」

ただし、この会社の海外セールス担当は語学ができるというだけでは務まりそうにない。

「基本的に、うちは零細企業です。ひとりひとりが『この仕事だけやってればいい』という考えでは絶対に無理。1人に1つの仕事を任せるのはもちろんだし、海外セールス担当だとしたらその資料をどうするのか、展示会ではどう見せるか、納品はどうするか、といったところまで広く責任をもってもらわないといけない。『これは私の仕事の範疇じゃないです』ということはないんです」

「NuAns NEO」の開発に携わったのは、たったの6人。星川さんのほか社員の中村麻佑さん、TENTの治田将之さんと青木亮作さん、エンジニアの永山純一さん、ITジャーナリストの本田雅一さんという最少人数で開発を進めたことも、素早い商品化につながった。

海外市場は真剣に狙っているが、会社を大きくしたいとか、上場したい、大きくもうけたいといった野望はなさそうだ。

「今いる人たちが幸せに、やりがいをもって働いてくれることが一番大事です。自然に増えていくのはいいけれど、それでも社員は20人以上にならないようにしたいなと思っています。派手に大きくしてダメになった人たちをたくさん見ていますから。うちはITじゃなくて製造業ですしね」

別に上場して大金持ちになりたいという野望があるわけでもないし、と笑う。

デザイナーズユニット「TENT」とコラボして開発しているブランド「NuAns」では、生活に溶け込む暖かみのあるiPhone用アクセサリーを展開している。

封印していたギターを弾こうかな

星川さんは高校時代、バンド活動をしていた。ギターを弾いて歌をうたっていたそうだ。

「就職しないで音楽でやっていく、バンドを続ける、という友達もいました。でも僕は働かないで生きていくことはできないな、と。人生を賭けるほどじゃなかった、ということなのだと思います。それでも、どこかで『音楽に関わる仕事をしたい!』という気持ちはあった。だから最初は、音響に関わる会社に就職したんじゃないかな」

トリニティでiPhone用アクセサリを作り始めたとき、星川さんはギター型のiPhone用スピーカーを考案している。

「『Fingerist(フィンガリスト)』っていうんですけどね。でも、この会社を始めるときに、ギターは封印したんです。10年は弾かないぞ、って」

Fingeristは、iPhoneやiPod touchにインストールした楽器アプリを、ギタリストのように弾くことができるミュージックアダプター。ラインアウトでギターアンプにつないで、ライブ演奏を行うこともできる。

その10年が終わろうとしている。

「そうなんですよ。今年はCD作ろうかな、と思っています」

そういえば、今のFacebookのプロフィール写真の前、彼が上げていた自身の写真は、カジュアルなTシャツ姿でどこかミュージシャンのようだった。

共に働く人たちのことを考え、仕事に邁進してきた10年間。星川さんもその10年間で大きく成長したはずだ。

たまにはギターを弾いたって、いいんじゃないだろうか。音楽を取り巻く環境もすっかり変わった。そこからまた、新しい発想が生まれてくるかもしれないし。きっと、当時とは違う音楽が奏でられるはずだ。

森 綾(もり・あや)
大阪府大阪市生まれ。スポーツニッポン新聞大阪本社の新聞記者を経てFM802開局時の編成・広報・宣伝のプロデュースを手がける。92年に上京して独立、女性誌を中心にルポ、エッセイ、コラムなどを多数連載。俳優、タレント、作家、アスリート、経営者など様々な分野で活躍する著名人、のべ2000人以上のインタビュー経験をもつ。著書には女性の生き方に関するものが多い。近著は『一流の女(ひと)が私だけに教えてくれたこと』(マガジンハウス)など。http://moriaya.jimdo.com/
ヒダキトモコ
写真家、日本舞台写真家協会会員。幼少期を米国ボストンで過ごす。会社員を経て写真家に転身。現在各種雑誌で表紙・グラビアを撮影中。各種舞台・音楽祭のオフィシャルカメラマン、CD/DVDジャケット写真、アーティスト写真等を担当。また企業広告、ビジネスパーソンの撮影も多数。好きなたべものはお寿司。http://hidaki.weebly.com/