「パートナーが話をちゃんと聞いてくれない」「話の途中なのに『で、何が言いたいの?』と遮られてしまう」、そんな悩みが後を絶ちません。しかしある言葉を前置きすれば、彼らは女性の言葉に耳を傾けるようになります。その言葉とは?

パートナーに話を聞かせる必勝法

今回は、プライベートでも伝わる説明力について解説します。ビジネスの場におけるコミュニケーションは、男性っぽい話し方、説明方法が求められています<関連記事:「言いたいことが伝わらない!」を劇的改善させる方法(http://woman.president.jp/articles/-/1003)、あなたの仕事の指示が伝わらないのは「男っぽさ」が足りないから(http://woman.president.jp/articles/-/1004)>。プレジデントウーマンオンラインの読者の皆さんの中にも、オフィスでの話し方とプライベートでの話し方が全然違う、もしくは意図的に変えているという人もいるのではないでしょうか?

職場では、要点をコンパクトに、誤解なく伝わるように配慮しなければいけません。一方、プライベートのコミュニケーションではそこまでの効率性や正確性は求められませんよね。

だからといって、グダグダでよいわけではありません。特に相手が男性の場合。プライベートの会話だったとしても、男性とのコミュニケーションでは、「男性っぽい説明法」を用いた方が分かりやすく伝わります。

『話を聞かない男、地図が読めない女』という大ヒット書籍がありましたが、実はちょっとした一言で、「話を聞く男」に変身させられるのです。

逆に言えば、もし旦那さんや彼氏に対して「話が伝わらない!」と感じることがあったとしたら、話し方を「男性的な説明法」に変えることですぐに解決します。

「あなたの話が分かりづらい!」とか、「あなたが変わらなきゃいけない!」と言いたいのではありません。ちょっとした工夫をすることで、パートナーがあなたの話を「うんうん」と聞いてくれるようになるのです。そうすれば、皆さんのストレスも激減すると思うのです。そのための“術”です。言ってみれば、「パートナーに話を聞かせる方法」というイメージです(笑)

“聞く姿勢”をとらせるためには

連載第1回の記事「言いたいことが伝わらない!」を劇的改善させる方法(http://woman.president.jp/articles/-/1003)で、「いきなり話を始めても、相手は聞く準備ができておらず、“聞く姿勢”にもなっていない」ということについて説明しました。だから、相手にまず聞く姿勢になってもらうために、「今、この説明をしたいのですが、よろしいでしょうか?」などと、最初に"確認すること"が必要でした。

これは、ビジネスの現場だけに言えることではありません。プライベートでの会話で、男性に話をした時、スマホをいじりながら、テレビを見ながら返事をされた経験はありませんか?

非常にムカつくと思いますが、あれは“聞く姿勢”ができていないからなのです。スマホをいじりながら「うん……うん……」と耳だけを話し手に向けているわけですが、男性からすると、「今、自分はスマホをいじりたい」という時に、いきなり話しかけられた、だからスマホをいじりながら聞いていればいい」、と思っています。

つまり、その話しかけられた時は「自分の時間」で、「相手の話を聞く時間」ではないのです。だから“空返事”になるのです。

男性をその「自分の時間」から引っ張り出すためには、“最初の確認=合意”がとても大切です。連載第1回で書いた話と同じで、「今、この話をしたいんだけど、いい?」と確認し、話をすることに合意してもらいます。

しかし、ただこのフレーズは適当に言っても意味がありません。男性が「あ、ちゃんと聞かなきゃ」と思うくらい真剣に、もしくは熱心に確認しなければいけません。

「この話、今しかできないから、聞いてもらえる?」
「ねぇねぇ、今日こそどこの温泉に行くか決めちゃわない? 予約が埋まっちゃう前にさ」

など、本当に聞いてもらいたいということを伝えなければいけません。

最初が肝心です。そこさえつかむことができたら、後は比較的スムーズに聞いてもらえるでしょう。

「単に話を聞いてほしい」は通用しない

女性は、情報伝達やアドバイスを求める目的ではなく、「単純に話を聞いてもらいたいだけ」で話をすることがありますよね。実はこの感覚、男性には理解できていないのです。

男性の中には、「話には必ず結論があり、その結論に関して、何か自分がコメントしなければいけない」と感じる人が多くいます。だから、女性の「聞いてもらいたいだけの話(結論がないことが多い)」を聞いていると、困惑し、だんだんイライラしてしまうのです。「自分は話の結論を探しながら聞いているのに、一向にその結論が見えてこない。この女性は一体オレに何を伝えようとしているのか?」と考えてしまうのです。

そして考えても考えても分からないので、途中で話を遮り「で? 何が言いたいの?」と聞いてしまうのです。

この男性に悪気があるわけではないのです。何かしらのアドバイスやコメントをしなければいけないと思っているからこそ、“結論”を把握しなければいけないと考えています。でもそれが分からないので、「で?」と聞いてしまうだけなのです。

でも、そんな反応をされたら女性も腹が立ちますよね。聞いてもらいたいだけなのに、「で?」と言われてしまう。そして、無用なケンカが生まれてしまう。

この無用なケンカを回避する方法があります。それは、結論を言うことです。

男性は、話の中に結論を探しています。だから、結論を伝えてあげればいいのです。結論がない話をする時には、「“結論がない”という結論」を先に伝えてあげてください。

「この話、結論がなくて、聞いてもらいたいだけなんだけど」と最初に伝えれば、男性はおとなしく最後まで聞いています。簡単なことです(笑)。

これだけで、お互いのストレスが激減します。ぜひ試してみてくださいね。

木暮太一(こぐれ・たいち)
一般社団法人 教育コミュニケーション協会 代表。
学生時代から難しいことを簡単に説明することに定評があり、大学時代に自作で作った経済学の解説本が学内で爆発的にヒット。独自に磨いてきた「わかりやすく説明する」ノウハウに基づき、2013年に教育コミュニケーション協会を設立、「説明力養成講座」「マーケティング説明力養成講座」「キッズ作文トレーナー養成講座」で教え始める。現在、経済ジャーナリストとしてテレビ等メディアでの経済ニュース解説を行うほか、企業・大学・団体向けに多くの講演活動を行っている。