最初の2年はたった1人
日本発のものづくりのブランドをつくりたい。フランスに留学した学生の頃から、そう決めていた。資本金わずか50万円の起業。
「最初の2年はたった1人、週末はバイトをしながら……。売れない芸人みたいでした(笑)」
新潟県五泉のニットや熊本県人吉のシャツといったように、工場発のファクトリーブランド「ファクトリエ」をインターネットで展開する。
「工場って、ホームページなんかないですからね。地方に行って駅に置いてあるタウンページを見ながら電話をかけまくるんです。夜行で行って1泊して夜行で帰るまでに10カ所くらいは回れる。僕が行く工場はだいたいフル回転しているんですけど、赤字なんです。おかしいじゃないですか。一方で勝者のメーカーは過去最高益なんて言っていて。だから国産比率がどんどん下がっていくんです。工場長たちに、ネットとは何ぞやから説明して、自分たちのブランドをつくりましょうと」
サービス開始から3年、昨年比400%で売り上げを伸ばしている。
「目標は東京オリンピック。選手団のユニフォームとして採用されるブランドに育て、日本一の選手たちに着てもらう。コツコツやっていきます。自分で正しいと信じられることをできるのは幸せなこと。学生時代より今のほうが青春だと思っているんですよ」
●プロフィール
1982年、熊本県生まれ。大学在学中、フランスへ留学しグッチ・パリ店で勤務。SBヒューマンキャピタルなどを経て2012年起業。
●趣味はなに?
読書。移動時間が多いので、週に数冊は読んで読書メモもつけてます。
●応援したくなる女性は?
夢や理想をもって一歩ずつ進んでいる人。(今はいませんが)パートナーとも、互いにプロフェッショナルでありたいと思います。
撮影=筒井淳子