食欲増進効果があり「秋バテ」対策にもってこいの「香辛料」。食と栄養、健康の専門家はどんな香辛料を好んで使っているのでしょうか。企業や社会で活躍中の管理栄養士・栄養士140人を対象に行ったアンケート結果から、人気の香辛料とその特徴をご紹介します。以下、ランキングとその理由です。

*「夏バテにイイ! 食事のアンケート」【調査概要】調査手法:インターネットリサーチ、調査対象:管理栄養士・栄養士 140名、調査期間:2015年7月23日~8月31日、調査実施機関:食プロリサーチ

 Q:あなたが常備していて、料理に使いやすい香辛料はなんですか。(複数回答可) 

※■以下は、おすすめメニュー

第1位“黒こしょう”は、効能、香りとうれしいことづくめ

第1位:黒こしょう(106人)
■わかめスープ(20代、厨房器具メーカー勤務)
■牛肉の黒こしょう炒め(30代、専業主婦)
■野菜炒めに粗挽き黒こしょうとクミンを使うと、カレー風味になり、野菜がたくさん食べられる。(30代、健診機関勤務)

黒こしょうに含まれるピペリンには、食欲増進だけでなく、脂肪燃焼、エネルギー代謝促進、血流改善の働きがあります。

人気第1位は黒こしょう。肉の臭みを消すのにも効果的。黒こしょうに比べて香味が弱い白こしょうは、魚料理との相性がよい。

おすすめメニューとしては、肉料理や炒め物、スープなどが挙がりました。白こしょうに比べて辛味が強い黒こしょうは、ヘルシーな食材としてその良さが見直されている肉との相性がバッチリ。黒こしょうを使ったおいしい肉料理は、秋バテ解消メニューとしてぴったりですね。

また、黒こしょうはその香りのよさも特徴の1つ。挽きたては格別ですので、ぜひ家でミルを使って試してみてください。

第2位“唐辛子”は、カプサイシンの効果に期待

第2位:唐辛子(70人)
■野菜の浅漬け(50代、保健指導会社勤務)
■ユッケジャンスープ(30代、フリーランス)
■煮物、炒め物などを薄味で作り、七味唐辛子で味付け。減塩できる。(40代、食品メーカー勤務)

黒こしょうに次ぐ料理に使いやすい香辛料として、“唐辛子”が選ばれました。唐辛子に含まれるカプサイシンは、発汗作用、脂肪燃焼作用の働きがあります。また、ビタミン類や鉄・カリウムも豊富です。

昨今、ダイエット食材として注目を浴び、積極的に使っている方も多いのではないでしょうか。ただし、とり過ぎると胃への刺激が強くなってしまうため、量はほどほどにしてくださいね。

唐辛子を使った食べ物の代表格・キムチは、唐辛子由来の効果に加えて、乳酸菌が腸内環境を整えるといったメリットもあり、おすすめです。

第3位“わさび”は、抗菌作用が食中毒の予防に

第3位:わさび(59人)
■わさびポン酢を使った和え物(40代、医療機関勤務)
■旬野菜に、わさびマヨネーズのディップを添えて。(30代、フリーランス)
■刺身とアボカドの山かけ。刺身用の魚の切り身とスライスしたアボカドを、だしで割ったわさびじょうゆに漬けて、すりおろしたとろろ芋をかけたら出来上がり。(60代、保健指導会社勤務)

“わさび”には、抗菌作用があるため、食中毒の予防に活用できます。また、魚の生臭さを分解する働きも。お刺身にわさびを付けるのは、味だけが理由ではないのです。

企業や社会で活躍中の管理栄養士・栄養士140人を対象としたアンケート結果を基に、3回にわたって「秋バテ」対策をお届けしてきました。食欲がないときは、“おいしいもの”が一番の特効薬。バテ気味の方もしっかり食べて、新たな季節の到来に備えられるといいですね。

10月は、「秋ならではの食材」をテーマに、ランキングをお届けします。お楽しみに!

【文・監修】食プロリサーチ(http://www.shoku-pro.com/
食・健康分野に特化した人材サービス業の株式会社RDサポートと、健康情報分析評価業の株式会社インサイツが共同運営する管理栄養士・栄養士限定の会員制サービス。管理栄養士・栄養士の知識・信頼性を活かした機能性食品市場のマーケティング支援を行う。