家族と100%向き合うために、ワークダウン。試行錯誤しながらも仕事をつなぎつづけてきた河本さんが見つけた、心地よい暮らし。(アドバイスしてくれる人:はぴきゃり代表取締役 金澤悦子さん)

東京の自宅と、江の島のシェアハウス。昨年5月から2拠点でのデュアルライフを楽しむ河本さん。

IT企業人事 河本ここのさん(47歳)妊娠を機に、新卒から4年間勤務した人材教育系企業を退社。専業主婦、経理事務、旅行会社などさまざまな仕事を経て、現在IT企業勤務。夫、長男、長女の4人家族。http://coconots9.hateblo.jp

「トライアスロンや自転車が趣味で、自然が大好き。海の近くに住みたいと温めてきた夢を、シェアハウスという形でかなえることができました。出勤は東京の自宅から、休日は海辺暮らしを満喫!」

子育てもゴール間近。家族を第1に考えてきた河本さんが、自分のためにした選択だった。

「上の子を妊娠したときは、まだ働くママも少なくて、育児をしながら今まで通り働くことはできない、と退職しました。『子育てをキャリアにして生きていきます』って、悔しまぎれに宣言して。でも、今思うと、その言葉の通りに生きてきたのかもしれません」

長男が4歳、長女が1歳になったころから、仕事を再開。家庭とのバランスを考え、在宅での経理事務やイベントの企画運営など、実にさまざまな仕事を経験した。

【写真上】シェアハウスの自室スペースで、ほっと一息。【写真中】手帳には、1カ月ごとの総括をメモ。「月次で見る大切さは、経理をしていたときに学びました」【写真下】リビングの共有コーナーには、住人からのおみやげが並ぶ。

「飛んできたボールはすべて捕る! というスタンスで、まるで脈絡はないですね(笑)。一貫したキャリアはないけれど、ご縁を大事に、そのときどきにできる仕事をやってきた。おかげで幅広い人脈を築けたことは、わたしの財産であり、強みです。今の仕事も知人から紹介していただいたもの。面接のときに『週2、3日でよければ』とお話しして、採用していただきました。好きな場所で、好きなことを目いっぱい楽しめるのも、週3日という働き方を受け入れてくれた会社、家族、たくさんの出会いがつながって導かれたもの。またここから何かが始まる予感がして、ワクワクしています」

■河本さんのWORKING DATA(BEFORE→AFTER)

雇用形態:正社員→短時間正社員
職種:研修コーディネート→人事
年収:ヒミツ→前職の1/3
労働時間:フルタイム、残業あり→週3日出勤

 金澤さんから一言 

短期間の入居も可能で、生活必需品がそろっているシェアハウスは、「海辺で暮らしたい」という夢に挑戦するのに最適な選択でしたね。彼女の生き生きした仕事ぶり、暮らしぶりが後輩女性にとってもいい刺激になっているのではないでしょうか。

はぴきゃり代表取締役 金澤悦子
2001年、女性のためのキャリア転職誌「ワーキングウーマンタイプ(現ウーマンタイプ)」を創刊。多くの取材から、ハッピーキャリアを見つけるためのステップを体系化。現在、はぴきゃりアカデミーを運営し、「ココロとサイフが満たされる仕事発見」をサポート。