バリキャリ女子は、初めから選ばれた人だと思っていませんか? でも多くは、めげたり迷ったりしながら、結果的にキャリアアップを図った人ばかり。その実例をお伝えします。
2008年から社会貢献活動の専任となった筒井優子さん。以前はお客様相談室のマネジャーだった。
「学生時代も消費者問題の研究をしていて、商品販売後の企業の責任の重要性を感じていました」
それだけに、仕事には意欲的に取り組んだ。標準作業手順を確立して質の向上を図ったり、お客さまからの声をいち早く経営に報告するシステムを立ち上げた。各ブランドマネジャーからも高い評価を受けたという。
キャリアを見直すきっかけは、プライベートでの転機にあった。さまざまないきさつで自宅マンションに茶室をつくることになり、昔から続けていたお茶に、深く取り組みたいと思い始める。一度マネジャー職を辞し、広報部に異動。社会貢献活動の担当となった。
もともと筒井さんは、阪神・淡路大震災後、特命で地域の復興支援に従事していたことがある。
「当時は半年で元の仕事に戻りましたが、あらためて地域とかかわる仕事をしてみると、新しい世界が見えてきました。専任として長くかかわりたいと思ったのです」
現在は、家庭の防災プランの作成など、P&Gらしさを活かした活動に力を入れている。積極的に地域に出向いて、行政や地域の専門家とも連携を強める日々だ。
「社会貢献という担当テーマに関しては、チーム内で最も知識を持つ存在でありたい。常に意味のある提案ができるよう、アンテナを張り巡らせ、知識や情報を増やしていきたいと考えています」
BEFORE/AFTER
●お客様相談室の幅広い業務→社会貢献活動に専任
●自分次第で、まとまった休みを取得可
【ブラマンテ代表取締役 田島弓子さんから一言】
お客様相談室時代の数々の実績は、仕事に対する熱い情熱があればこそ。生活の変化だけでなく、筒井さんなりに「やりきった」感触を持てたことも、転身につながったのでしょう。キャリアの節目は「ひねり出す」ものではなく「訪れる」もの。それが訪れるかどうかは、目の前の仕事にどれだけ全力を尽くせたかにかかっています。
1965年生まれ。大学卒業後、91年、P&Gジャパンに転職。お客様相談室に配属。2000年からマネジャーとして組織の統轄、お客さま対応の向上に貢献。08年、広報部に異動し、社会貢献活動の担当に。
ブラマンテ代表取締役 田島弓子
1967年生まれ。成蹊大学文学部卒業。展示会主催会社などを経て、99年マイクロソフト日本法人に転職し、数少ない女性の営業部長として活躍。2007年から、キャリア支援などをテーマに、社員研修、セミナー、執筆活動に従事。