限られた時間の中で成果を上げる人には、何か秘密があるはずです。1日の時間の使い方はもちろん、1週間の流れの中でも、仕事と生活の緩急のリズムを上手につくっているに違いありません。8人の時間管理の名人たちにその秘訣を聞きに行くと……
資生堂創業の地、銀座のSHISEIDO THE GINZAで2011年のオープン当初からチーフとして働く柳澤香織さん。21人のスタッフをまとめる3人のチーフに最年少で抜てきされた。
ベテランの先輩チーフに支えられながら、チーフとしての能力を磨いていく。日によってばらつきがある来店客に応対するには、目の前のお客さまだけではなく、周囲のスタッフや来店客の動きなど、店内全体を把握することが不可欠だ。意識的に周りを見ることで、1対1の接客だけではなく、店全体でどうやってお客さまをお迎えするかを考えられるようになった。
チーフ就任と12年の結婚を機に、自分の生活もより充実したものに変化したという。昔はオフはのんびり過ごしていたが、今は休日でも出勤日と同じ時刻に起床。メリハリのあるプライベートを楽しむため、時間割を組むようにいろいろな予定を詰め込む。
「この仕事の特権はいろいろな方とお会いしてお話しできること。銀座でお買い物を楽しむ方、銀座が好きで遊びに来られる方はパワフルで時間の使い方も上手です。めまぐるしいスケジュールを楽しんでいらっしゃる。すばらしいと思って、私もまねすることにしたんです。舞台や映画、ヨガ、読書まで、面白いものを教えていただけるので、日々の予定には困りません(笑)」
■柳澤さんの1週間
【平日】
07:00~08:00 50分ぐらいの通勤電車の中では好きな本を読む
10:15 早番の出社時刻
10:30 全体朝礼
10:40~10:55 フロア朝礼
11:00 開店
11:30 遅番の出社時刻。店内の状況を見ながら昼食時間を決める
19:00 早番であれば退社。その後、ジムで汗を流す
20:00 閉店。遅番であっても閉店後に仕事を残さず帰宅。夜はプライベートの時間。仕事のことは考えず、必要があれば朝に消化
24:00 就寝。遅いときは午前2時頃に
【休日】
シフト制だが休みの日もいつもどおり起きて、お客さまから教えてもらったいろいろなオススメを楽しむ
■時間管理の鉄則3カ条
1. 店内全体を客観的に見て、刻々と変化する状況に対応
2. 休みの日も同じように起きて生活のリズムを崩さない
3. やりたいことを全部楽しむために、時間割のようにスケジュールを組む
2002年、資生堂入社。11年のSHISEIDO THE GINZAオープン時よりビューティーコンサルタントのチーフを務める。その仕事ぶりには同僚たちはもちろん、オフィススタッフからの信頼も厚い。週に3~4回、2時間程度のジム通いも欠かさない美の追求者。