初めて会った人に、なかなか覚えてもらえない。存在感を出せない。「また会いたい!」と思わせるためには、何を変えればいい?

相手のテンションに合わせて話し方を変える

高津絵美さんが扱う商品は、高級車の代名詞ともいえるメルセデス・ベンツ。取材した前の月には12台を売り上げ、優秀社員賞を受賞した2014年を上回るペースで結果を出している。

ヤナセ 高津絵美さん

「お客さまとの会話では、波長を合わせることを意識します。テンションの高い元気な方ならハキハキと、寡黙で熟考される方なら、こちらも落ち着いた口調で。声のトーンや話すテンポが合っていると、安心感を持っていただけるようです。感覚的なことですが、コミュニケーションにおいて大事なポイントだと思います」

そうやって話しているうちに、「燃費や安全性が気になる」「ずっと国産車だから、輸入車はハードルが高くて」など、知りたいことや懸念材料を率直に話し始めてくれる。

「最初から勢い込んで話すと、シャットアウトされることも。まずは会話のキャッチボールを楽しんで、相手との距離を縮めるようにしています。高額な輸入車の営業というだけでも、相手はきっと身構えているはずですから」

前職はスキューバダイビングのインストラクター。9年前に、「生活するうえで重要なもののひとつである車を売りたくて」この業界に入った。

ショールームで乗り心地を試してもらいながら仕様の説明。「成約の商談でテーブルにつくとき、一番アドレナリンが出る」と高津さん。

この人から買いたいと思わせる理由は、入社以来変わらない謙虚な姿勢にこそあるのだろう。


 ■好きなことば 
為せば成る、為さねば成らぬ、何ごとも

 ■リラックスするとき 
時間ができると、愛車に乗って海に行く。波の音を聞くと心が安らぐ。

 ■朝ごはん 
ごはんとハムエッグ、わかめや豆腐、大根のみそ汁が定番。

 ■好きなくつ 
「ダイアナ」が多い。たくさん歩くので、足にフィットするものを選ぶ。


ヤナセ 高津絵美
神田支店販売課主任。2006年入社後、中古車の販売担当を経て、メルセデス・ベンツの営業に。昨年は64台を販売。2014年度ヤナセ優秀社員に選出。メルセデス・ベンツ日本が選出するセールスウーマン賞3人のうちの1人に。33歳。