論理的にしゃべっているつもりでも、「結局何が言いたいの?」と言われてしまう。どうやったら、系統立てて説明できるのだろう。

図を描いて、理解の穴を埋めていく

「どんなことでも必ず絵に描く」と言う加藤知子さん。「絵に描けないということは、理解していないということ。人に説明できるわけがありません」

日本ヒューレット・パッカード 加藤知子さん

本部長を務めているのは、パートナーである企業と一緒にシステムサポートを販売する部署。両社間での認識のすり合わせは欠かせない。

「相手のところに行く前には、全体的な仕事の流れ、誰が何にいつまでにコミットするか、どのビジネスが取れていてこれからどこを取るかなど、あらゆることを図式化します」

そうすることで、理解が抜け落ちている箇所や、これから話し合いが必要なところが浮き彫りに。ミーティングの際の資料づくりの第一歩にもなる。

「大きな図が描けたら、要所要所で根拠や数字、グラフや表などを足していきます。まずは森を描いて、少しずつ木を足していくイメージですね」

「ホワイトボードが好き」と言う加藤さん。ミーティングでは、グラフを描きながら説明することが多い。訪問先には細めのヒールで。

ビジネスは、全体像をつかむことが大事。37歳のとき、当時の上司をまねて始めたこの習慣のおかげで「木を見て森を見ず」ということがなくなった。部下たちにもこの方法を徹底させる。ちょっとしたことでもホワイトボードや紙切れに描きながら説明し、相談に来たときには「描いてみて」が口癖だ。

「お互いの理解が深まり、コミュニケーションミスが減りました。絵が役立っているようです」


 ■好きなことば 
有言実行

 ■リラックスするとき 
子どもと夕ごはんを食べているとき。週1回通っている空手の時間。

 ■朝ごはん 
パン、卵料理、ヨーグルト。足りないときは会社でもう1回食べる。

 ■好きなくつ 
「銀座かねまつ」。ヒールは、背筋がスッと伸びる6cmが定番。


日本ヒューレット・パッカード 加藤知子
テクノロジーサポート営業本部第三営業本部長。年間数百億円の事業規模のビジネスを行うセールスチームをリード。1990年入社。39歳でマネジャー職に就き、2012年より現職。2児の母。45歳。