夫に「当事者意識」を持たせるには?
4月に入園・職場復帰を予定している方、準備は万端ですか?
前回、復帰前に職場と打ち合わせることについて書きましたが、今回は家庭でしておく準備についてまとめたいと思います。
入園・復職の準備は、育休中の親(多くの場合、妻)が中心となって動くことになりがちです。でも、できるだけパートナーと問題を共有しておくことをお勧めします。生協選びひとつにしても、「こっちはこうなんだけど、こっちはこうなんだよね。どっちがいいかな」という具合に。結論が明らかなことも、ひとりで決めず、「これでいいかな」とひとこと相談しておくと、相手に当事者意識をインプットできます。
保育園グッズは園の説明会を待って
園用品をそろえるのは、入園前のお楽しみのひとつ。
でも、買うのは、園が実施する入園説明会で話を聞いてからにしましょう。
お昼寝用品も、寝具のシーツやかけ布団カバーを用意する園、コット(キャリーベッド)を使用するためバスタオルだけでいい園、パジャマを使用する園、しない園などいろいろになっています。
服は、動きやすく、洗濯をじゃぶじゃぶできる素材のものが多めに必要になります。フードつきやつなぎの服は安全上の理由等でダメという場合が多いでしょう。毎日3組~4組の着替えを園にストックしておかなくてはなりません。
お手ふきタオル、エプロンなども園によって指定がある場合もあります。オムツや着替えを入れられる大きめのバッグ(マザーズバッグ)も忘れずに用意します。
食材の買い物はいつ、どこで?
平日は買い物に行けない場合が多いでしょう。
食材などの必要品をどうやって補給するか、考えておく必要があります。
(1)週末に買いだめする
(2)生協・ネットスーパー・その他の宅配サービスなどで取り寄せる
(3)帰路にコンビになどで調達する
などの方法について、価格・品揃え・安全性・商品の受け取り・注文や支払いの方法などを検討し、何をどうやって調達するか予定を立てます。入会の手続きなどは復職前にすませましょう。さっそく利用を開始して、想定外の問題が起こらないかチェックしておくと安心です。
朝夕の家事分担シミュレーション
夫婦がどのように働くか、保育園の送り迎えはどうするか、帰宅後の家事・子どものケアはどうするかなどは、保活の前から夫婦で話し合っておきたいことですが、入園・復帰を目前に、改めて具体的に話し合うことをお勧めします。
1日の流れを想定して、うまく回るように分担します。たとえば朝。
(1)夫が子どもの相手をしている間に妻が朝食をつくり、
(2)妻が子どもに食べさせている間に夫が自分の準備をし、
(3)夫が朝食を食べている間に妻が子どものしたくをし、
(4)夫が子どもを連れて家を出たあとに、妻が自分のしたくをする
という具合に手分けをします。
夜は、夕飯づくり、食事、おフロ、子どもの寝かしつけ、食事の後かたづけ、翌日の準備(着替えをそろえるなど)、洗濯などがあります。
家電による家事の省力化も検討します。現在、共働きの三種の神器は、
(1)食器洗い機
(2)衣類乾燥機、
(3)自走式掃除機
と言われていますが、家族の人数、スペースなどの条件、節電意識その他の考え方によっても感想が違います。迷う場合は、実際に両立生活が回るようになってから考えてもいいと思います。
「助っ人」の手配
子どもの病気のときや残業のときの「助っ人」として、ベビーシッター、病児保育、ファミリーサポートセンターなどを頼るつもりであれば、登録をしておきます。ベビーシッター会社は都市部にはたくさんあるので、比較検討が必要です。所用のときにお試しで利用してみるのもよいと思います。料金や利用手続きはもちろん、どんな人がくるのか、子どもの反応はどうかなど、ようすがわかったほうが、いざというときお願いしやすいはずです。
夫婦の連絡体制
夫婦間のホットラインをしっかり確保します。携帯・スマホを忘れた場合にそなえて、職場の電話番号・アドレスも知らせ合っておいたほうがよいでしょう。
ネット上でカレンダーを共有するととても便利。保育園への送り迎え担当、残業や出張、休日勤務、保育園の親参加行事、乳幼児検診などの予定を書き込んで共有します。絶対はずせない会議なども書いておくと、子どもの急な病気のときなどに、お互いに融通を利かせやすくなります。
通園の手段
子どもを連れて、大荷物をもっての通園になります。抱っこヒモ、バギー、子ども乗せ自転車などを使う場合は、使い勝手を確かめておきます。
雨の日はどうするかも考えておかなくてはなりません。親の服装や靴、バッグなども気をつけないと、子連れで行動するにはどうにも不便なものもあります。
最後に、服のサイズが変わっていないか、着てみてください。美容院に行くのも忘れずに。
1956年、兵庫県生まれ。早稲田大学第一文学部卒。出版社勤務を経てフリーランスライターに。93年より「保育園を考える親の会」代表(http://www.eqg.org/oyanokai/)。出版社勤務当時は自身も2人の子どもを保育園などに預けて働く。現在は、国や自治体の保育関係の委員、大学講師も務める。著書に『共働き子育て入門』(集英社新書)、『働くママ&パパの子育て110の知恵』(保育園を考える親の会編、医学通信社)ほか多数。