第一印象がいい人は何が違うのか。医師の長尾沙也加さんは「顔、体型、服装……外見を整えることは重要だが、それ以上に印象を左右する要素がある。意識さえすれば、今この瞬間に変えることができる」という――。

※本稿は、長尾沙也加『美容ドクターが教える 一生使えるきれいのToDoリスト』(KADOKAWA)の一部を抜粋・再編集したものです。

痩せるよりも体型に合う服を選ぶ

美しさを目指すうえで、多くの人が「細さ」を意識すると思います。実際、年齢を重ねる中で若い頃にはなかった「お肉」が気になったりもしてきます。

しかし、実は必ずしも「細さ」は大切ではありません。

実際、ミセスコンテストのファイナリストはみながみな、ほっそり引き締まっているわけではありません。ただ細いかどうかだけで美しさが決まるのではなく、大切なのは「美しく見せる」ポイントを押さえているかどうかだと思います。

まず私が大事だと思うのは、「お腹が締まっている」こと。お腹は人によって違いが出やすい部分だと感じています。

もう一つは「お尻が少し上がって見える」こと。加齢に伴って、お尻が下がっていくのは自然なことです。それでもちょっと上がっているだけで、全体の印象はぐっと変わります。

体型の見せ方は、決してダイエットやトレーニングだけでつくるものではありません。体型をきれいに見せる服を着ることが大切です。

特にハイヒールを履くと、胸が押し出されて上がり、腰の形も自然と変わりやすいです。そういう影響で、結果的にお尻が上がって見えます。

まっすぐ胸を開いて立つ

美しい人は、いつだって姿勢が整っています。

背中はスッと伸びて、首筋にはムダな緊張がなく、立っているだけで空気が凛と引き締まるような、そんな存在感を放っています。それは、生まれつきのものではありません。日々の意識と小さな習慣の積み重ねで、誰でもその「静かな美しさ」を手に入れることができるのです。

ミセス・ユニバースでも、「姿勢は自信と知性の象徴」と考えられています。世界を舞台に戦う彼女たちは、ドレスやメイク以上に「どう立つか、どう歩くか」を徹底的にトレーニングします。

まずは、日常に取り入れやすい姿勢改善のためのエクササイズからご紹介しましょう。これはミセス・ユニバースの候補者たちもレッスンの準備運動として行っている、基本のボディワークです。

朝、鏡の前で立ったとき、まず深く息を吸いながら、頭のてっぺんが糸で天井から吊られているイメージを持って背筋を伸ばします。その状態で、腕を伸ばしたまま上から真横に大きく動かします。これだけで、肩甲骨が寄って胸が開き、顔まわりが明るく見える姿勢がつくれます。この「リセット姿勢」を体が覚えると、日中の所作が見違えるように変わります。

姿勢づくりでもう一つおすすめなのが、「壁立ちチェック」です。

かかと・お尻・背中・後頭部を壁にぴったりつけて立ち、背中と壁の間に手のひらがギリギリ入るくらいが理想の姿勢です。現代人の姿勢は、肩が内側に入り、背中が丸まった「巻き肩」が多く、頭が前に出ています。壁立ちをしてみると、頭の位置はこんなに後ろにあるべきなんだと驚く方は多いでしょう。

私自身、コンテストでウォーキングをする前には壁立ちをして頭の位置を確認していたくらいです。演奏会の直前に行う、楽器のチューニングに似ています。

また、この姿勢を30秒キープするだけでも、インナーマッスルが鍛えられ、体幹が整ってきます。立ち姿の安定感は、そこから生まれるのです。

歩くときも「背筋を天井に向かって引き上げる」意識を持ちましょう。

頭のてっぺんが糸で引かれているような感覚で立ち、腰を支点に重心を前に送り出しながら、内ももを意識して脚をクロスするように前へ。膝を開かず、つま先をまっすぐ正面に向けることで、美しいラインと安定した歩行が可能になります。また、目線はまっすぐ15メートル先を。肩の力を抜き、肘を軽く曲げ、リズムよく腕を動かすことで全身の動作が自然に整います。

気品と品格を醸し出す「座り方」

そして見落とされがちなのが、「座り方」の美しさです。

長尾沙也加『美容ドクターが教える 一生使えるきれいのToDoリスト』(KADOKAWA)
長尾沙也加『美容ドクターが教える 一生使えるきれいのToDoリスト』(KADOKAWA)

ミセスコンテスト出場者は、ステージ上だけでなく、面接やフォトセッションなど「座っているとき」の姿勢も評価されます。椅子に座るときは深く腰掛けすぎず、背もたれに頼らず、骨盤を立てて浅く座ると、背筋がまっすぐに。両膝を閉じて足を揃える姿勢は、それだけで気品と品格を醸し出します。

立つ、歩く、座る。どの瞬間も、体の「軸」が通っているかどうかが、美しさの差を決定づけます。それは一朝一夕で身につくものではありませんが、意識を続けるだけで確実に変化が訪れます。コンテスト出場者たちは、何気ない廊下の移動や駅の階段でも、一歩一歩を丁寧に歩みながら、自分自身をコントロールしています。

どんなに忙しい日々の中でも、1日3分、立ち姿に向き合い、歩き方に意識を向けてみること。それは、外見を整える以上に、あなた自身の「あり方」を整える行為です。