※本稿は、牧田善二『脳と体が老けない人の食べ方』(新星出版社)の一部を再編集したものです。
理想の食事を続けることは難しい
AGE(終末糖化産物)をためないために、食事で気をつけることはたくさんあります。あり過ぎて、すべてを実践することは難しいほどです。また、こまかく考えると、どちらを優先させればいいのかわからなくなることもあるでしょう。
すべてを守って実践するのが理想でしょうが、AGEはほとんどの食べ物に含まれていますし、おいしく食べるには加熱調理が必要です。血糖値を上げない食事を続けることも、理論的には可能でも、実際には難しいでしょう。
理想の食事にこだわりすぎるとストレスがたまり、かえって老化を速めてしまいます。糖質をどのくらい制限すればいいのか、AGEはどれくらい減らせばいいのかなど目安を聞かれることも多いのですが、基準は人によって違います。まずは自分の体質に合わせて、何を優先させるのかを決めましょう。
AGEより糖質制限を優先する
例えば、肉類は糖質は低いのですが含まれているAGEは多めです。パンやごはんはその逆で糖質は多く、AGEの含有量は少なめです。
AGEが多く含まれているものと、糖質が多いもののどちらを避けたほうがいいかと言えば、私はまずは糖質制限を優先して適正体重を保つことをおすすめします(図表1参照)。適正体重を保てている人は、糖質はあまり気にせず、AGE含有量の少ない食品を、AGEを増やさない調理法で食べるといいでしょう。
糖質を制限しても低血糖には陥らない
太っている人や血糖値が高い人は、それだけでAGEの害が大きくなるので、まずは糖質制限を実践して、適正な体重に戻すことを目標にしましょう。
糖質を制限しても、私たちの体は体内にあるタンパク質や脂肪から糖をつくり出すので、低血糖に陥ることはありません。特に、体脂肪をたっぷりため込んでいる人はそれがエネルギー源として使われるだけなのです。理論上は、体内に体脂肪がある限り、どれだけ糖質を制限しても問題ないと言えます。
もちろん、制限し過ぎてストレスになるのはよくありません。ストレスにならない程度に糖質の摂取量を減らしましょう。
基本的には肉より魚を
コレステロールの数値に異常がある人は、動脈硬化のリスクが高いので、脂質の種類や摂取量に気をつける必要があります。
基本的には肉より魚を選びましょう。植物性タンパク質である大豆製品もおすすめです。野菜をたっぷり摂ることも大切です。
中性脂肪が高いと指摘された人は、糖質を制限しましょう。血液中に使いきれなかった血糖は脂肪として体内に蓄積されるため、血糖値が高い状態が続くと中性脂肪も高くなります。逆に、糖質を制限すると、中性脂肪も自然と減ります。
LDL(悪玉)コレステロールが酸化すると動脈硬化が進行するので、抗酸化作用のある野菜やAGEの少ない食品やAGEを増やさない調理法を選ぶことも大切です。
キビキビと若々しく動くには筋肉が必要
やせている人の場合は、体重が減らないよう気をつけてください。高齢になってから体重が減るのは、筋肉や骨が減少している心配があります。
キビキビと若々しく動くには筋肉が必要ですし、骨粗しょう症にならないためには骨を強く維持する必要があります。タンパク質やカルシウムをしっかり摂って、筋肉や骨を強くしましょう。タンパク質を十分に摂ると代謝が促されて、肌もツヤツヤになります。
体重が減ってきたときには、適度に糖質を摂るようにしてください。穀類に含まれるAGEの含有量は大きく変わらないですし、調理法による差もそれほどないので、自分が食べたいものを選ぶといいでしょう。
ただし、甘いパンケーキやワッフル、ドーナツなどは別です。パンを食べるのであれば、食パン、ベーグルなど甘くないものを選びましょう。
間違った食べ方を減らすだけでも老化予防になる
いろいろ考えるのがめんどくさいという人は、次のことを参考にするといいでしょう。
ごはんやパンの量を減らす、甘いお菓子やスナック菓子を毎日食べているのであれば週に1回に、甘い清涼飲料水は飲まない(水分補給は水・お茶・コーヒーにする)、茶色い食べ物は食べる回数を減らす、揚げ物を週に1回食べているのであれば月1回にする、ソーセージやベーコンを食べる回数を減らす、コゲたものよりも白っぽい食べ物を選ぶ、禁煙する、日焼け対策をする……。
これらを実践するだけでも、体内にたまるAGEの量は劇的に減ります。難しく考えず、自分にできることから始めてみてください。
