■編集部より指令

家庭でも職場でも女性が強くなってきて、「男性がひいてしまう」場面が増えているんじゃないでしょうか。実は、自分(30代女・既婚)の家庭においてもそんなことが起きているんじゃないかと薄々感じています。

大宮冬洋さま、女性のどんな行動、言葉に男性たちはひいてしまうのでしょうか。

男性が敬遠したくなるキャリア女性の言動とは? 具体的に教えてください。

一方でそうした“強い女性”からは「こんな男じゃ頼りなさ過ぎる」という声も聞こえてきます。私も言いたくなるときがあります。女性は男性のどういう行動に気持ちが冷めてしまうのでしょうか。

佐藤留美さま、がつんと言ってやってください。

■大宮冬洋さんの回答

男がドン引きする「強すぎる女」の言動 -結婚と態度・男の言い分
http://president.jp/articles/-/10927

■佐藤留美さんの回答

女に嫌われる女

男性は、飲み会の席で、自分より面白いことを言う女が嫌いなんですね。

ふーん。

それで、「あまり口数は多くなくても自分の話を受け止めて好意的に微笑んでくれる」を求める……。はぁ、そうですか。

確かに、そういう女っていますよね。で、現実にモテてますよね。女には嫌われているけど。

いや~、お言葉を返すようですが、その考え方自体に引きますね。

というのも、今、職場で頑張っている女性陣は、別に人を笑かそうと思っていなくても、笑かしてしまうネタを一杯持っているからです。

「この男、小さい」と思う瞬間

たとえば、「この間、学生インターンのチューターをやったらさぁ。ワセジョ(早稲田の女子大生)と慶應女子が“早慶戦”を始めちゃってね~。チーム発表の時、ワセジョは慶應女子を売るし、慶應女子はワセジョの仕切りの悪さをチクってくるしで、さあ大変。喧嘩両成敗で、どっちの学生も最低評価だったんだけど、ワセジョは納得いかないみたいで、『あの時、どうすればチーム優勝できたのか』なんてレポートをメールで送りつけて来ちゃってさぁ。トコトン勝気だよね、アハハッ」なんてネタを持っている。

こんな話を聞いたら、つい笑っちゃいますよね(そうでもない?)。

そこで、男性が「おもしれ~な~」なんつって爆笑してくれたら、女も男と同じで、「この人、なんていい奴なんだ」って思いますよ。

ところが、そこに「俺の面白い話にかぶせてきやがって。お株を奪われた~」なんて苦々しい顔で見つめてくる男がいたら……。「この男、ちっさ」て思っちゃいますよ。

女の話が面白くなかったのは、過去の話。男性同様の仕事をあてがって貰えずに、ちんまりと男性社員のサポートばかりさせられていたため、どうしてもネタが、部長の頭は絶対ヅラだの、あそこのランチがおいしいだの身辺雑記的なことに留まっていたんです。

「この男、頼りない」と思う瞬間

ところが今の女は、外に出て受注を一杯もらって、取引先とタフな交渉もガンガンする。中には、ムカつく相手もいれば、面白い相手もいるし、誇れる仕事もあれば、笑える失敗もある。

そんな毎日では、嫌でもネタが増えて、面白人間の一丁上がり。

だから、男と女は、もっと面白ネタお披露目大会をガンガンして、お互いにケラケラ笑って楽しめばいいと思うんですよね。

そうすれば、「今度はもっと面白いネタ、拾ってくるぞ」と、仕事のモチベーションアップにもなると思うんです。

って、やっぱり、ダメですかね?

それともう1つ。女が「この男、頼りないな」と引いてしまうのは、同じく飲み会で愚痴ばっかり言う男ですね。

時折、「なんで部長はあの仕事を俺にやらせてくれないんだ」とか「評価してくれないんだ」とか「辞めてやるー」なんてムキになっている男をみかけますが、聞いているこっちが疲れてしまいます。

みんな、仕事に悩みがあるのは当然だし、会社や上司に言いたいことの1つや2つはある。でも、場がしらけるから我慢しているだけ。

女は心の中では、「そんなに、嫌なら辞めれば~?」ってベロ出しているはずです。

飲み会では、お互い「あ~、楽しかった」とスッキリ出来る、面白話に終始したいものです。

佐藤留美
1973年東京生まれ。青山学院大学文学部教育学科卒。出版社、人材関連会社勤務を経て、2005年、企画編集事務所「ブックシェルフ」を設立。20代、30代女性のライフスタイルに詳しく、また、同世代のサラリーマンの生活実感も取材テーマとする。著書に『婚活難民』(小学館101新書)、『なぜ、勉強しても出世できないのか? いま求められる「脱スキル」の仕事術』(ソフトバンク新書)がある。東洋経済オンラインにて「ワーキングマザー・サバイバル」連載中。