入社の決め手はそこで働く「人」だった
――おふたりとも中途採用で入社されていますが、KPMGコンサルティングに入社する前の経歴と現在の仕事内容を教えていただけますか。
【大森】ITベンチャー企業や外資系のシステム会社で働いたあと、2017年12月にKPMGコンサルティングに入社しました。現在担当している仕事は大きく2種類あって、一つはお客さまのESG推進の支援です。具体的には、温室効果ガス排出量の算定や施策推進、カーボンオフセットのサービス開発などに携わっています。もう一つは、社内のデジタル戦略立案と推進です。
【奈良井】私は2018年6月に入社し、現在は金融機関向けのリスクコンサルティング業務を中心に行っています。前職は国内の金融系システムインテグレーターで、システム開発や営業を担当していました。そこではシステムを作っていく「攻め」の領域が中心だったのですが、「『守り』の領域も強くしてキャリアの幅を広げたい」と思うようになり、システム監査やセキュリティアセスメントに強い企業を探していました。
――なぜ数ある企業の中からKPMGコンサルティングを選ばれたのでしょうか?
【奈良井】面接で一番緊張せず自然体でいられたんです。中途採用の場合は特に、希望する仕事内容や働き方、目指すキャリアなどについてしっかり話す必要がありますが、こうした内容を臆せずフラットに話すことができたのが大きかったです。
【大森】私も複数社の面接を受けた中で、一番面白そうな人が多かったのが入社を決めた要因です。やはり仕事はチームワークなので、「誰と働くか」が大事だと思っています。
【奈良井】入社してからの話ですが、いちばん驚いたのは、会社からの案内メールが和文と英文で併記されていることでした。社内の立ち話でも多様な言語が飛び交っていて、本当に面白いです。
――多様な社員が集うことがベースとして意識され、配慮が行われているのですね。言語に限らずさまざまなバックグラウンドを持つ社員同士が刺激を与えあい、イノベーションが生まれる職場なのだと感じます。
マネジャーへの昇進、会社は「ベストのタイミング」を待ってくれた
――お二人ともマネジャーに昇進されていますが、迷いはありませんでしたか?
【奈良井】入社して1年ほど経ったころに「そろそろマネジャーにならないか」と打診されたのですが、その時はお断りしました。子どもがまだ小さく、まとまった睡眠がとれませんでしたし、夫の仕事が忙しかったこともあり、なかなか難しいと思いました。
それに、「やりたい」と言えば何でもやらせてもらえるような職場でしたので、マネジャーにならなくてもやりたい仕事はできると感じていました。その間も、私の生活のスタイルとキャリアの志向を会社が丁寧に聞いてくれて、サポートを受けながらマネジメントに近い仕事をさせてもらいました。そのようなチャレンジできる環境を会社が用意してくれたことで、自分の成長につながる2、3年を過ごすことができました。
しばらくすると家庭状況も落ち着き、私から「そろそろ大丈夫です」と会社に話したところ、昨年の10月にマネジャーになることができました。ただ、子育てに対する考え方は本当に人それぞれですし、お子さんによっても家庭環境によっても違いますから、各々の状況に合わせて判断すればよいと思っています。
【大森】私の場合は、そもそも管理職となることについて、あまり意識していませんでした。マネジャーになりたいかと聞かれて、肯定も否定もせずにいたら「嫌じゃないんでしょう?」と聞かれ、「嫌ではないです」と答えて今に至っています(笑)。マネジャーという立場になっても、私らしく仕事をさせてくれる環境があることがとても良いところだと思っています。
――奈良井さんの場合は、ベストのタイミングを待った。大森さんの場合は、大森さんの「嫌ではない」という気持ちを丁寧に汲み取って環境を準備した。いずれも社員一人ひとりのキャリア観やライフステージを、日常的なコミュニケーションを介して会社が受け止め、対話がなされていないとできないことですね。
【大森】管理職の女性の割合は部署によって異なりますが、「女性だから大変そう」といった雰囲気はありません。役職にかかわらず、男性も育児休業を取っていますし、「子どものお迎えがあるから」と早く職場を出る人も多いです。先日、中途採用で入社してきた男性社員がすごく申し訳なさそうに「育休を取ってもいいでしょうか……」と相談してきたんです。「何を言ってるの⁉︎ 育休を取るのは当たり前のことだよ!」と、周囲の社員が応援していました。
――制度があるだけではなく、性別や役職にかかわらず制度を利用するものという意識が共有されているのですね。では、働き甲斐を感じるのはどんな時ですか。
【奈良井】自分の成長が感じられた瞬間でしょうか。いつも一つのプロジェクトが終わると、自分は何ができるようになったのか、一覧に書き出して「棚卸し」をしているんです。それが増えていくのがうれしい。「自分を育成するゲーム」だと思ってやっています(笑)。
マネジャーになってからは、メンバーに「この案件をやってよかったです」「胸を張って履歴書に書くことができます」と言われたりするとうれしいですね。
【大森】一緒に働くメンバーの成長を感じられるのは楽しいですよね。私自身は、新しいことを考えて、今までと違うものを作るということにやり甲斐を感じます。KPMGコンサルティングはそれができる会社だと思っています。基本、やりたいと言えば反対されることはないですね。私は、定義化された同じような仕事や、先行事例のある仕事ばかりをしても楽しみを感じない性格ですから(笑)。
柔軟な働き方が生み出す「将来の安心感」
――働き甲斐を下支えするものとして、会社としての働きやすさがあるかと思います。どんなところに働きやすさを感じますか。
【大森】働き方が柔軟なところでしょうか。もともとフレックスタイムとリモートワークの勤務制度があったので、“時間”と“場所”を組み合わせて自由度高く働けていました。昨年9月には、新たに3つの働き方に関する制度ができました。1つめは介護などの事情がありサポートを必要とする社員に向けて、勤務する場所を自宅に限定した「Work from Home Program制度」。2つめは在宅勤務中の家事、育児、送迎といった離席を、時間や回数の上限なく認める「Away from Keyboard制度」、3つめは国内のリゾート地などで業務を行える「ワーケーション制度」です。
このような制度を活用すれば、家族の面倒を見ながらリモートワークをしたり、離島でワーケーションをすることも可能です。インターネットにつながりさえすれば、日本国内のどこからでも仕事ができるんです。
【奈良井】今後、自分や家族に何があるかわかりませんし、親もいつまで元気かわからない。こういった制度を活用している同僚が周りにいると、将来、何かあっても柔軟に働くことができると思えて安心できます。
ほかにも、「WOVEMENTS®」という女性社員のエンパワーメントを目的としたコミュニティや、育児と仕事の両立をテーマとした「ワーキングペアレンツネットワーク」などのネットワークがあるのも心強いです。
また「パフォーマンスマネジャー」という制度もあります。一人ひとりに、2ランク以上は上の管理職「パフォーマンスマネジャー」が付き、キャリアについて相談に乗ってくれるというものです。私にはディレクターが付いていますし、私自身も新卒で入社したばかりの社員のパフォーマンスマネジャーをしています。
――社員一人ひとりの働き方、生き方を応援する制度やネットワークが充実しているのですね。
【大森】さまざまな制度がありますが、社員のニーズをきちんと捉えて制度化する文化があるように思います。
【奈良井】「KC Suggestion Box」という、意見箱のような制度もありますよね。そこに働き方や制度の提案などを送ると、社長から直接メールで返事が来るんです。
【大森】多方面に窓口が開いているので、とても安心しています。社長に直接声を届けることができる「KC Suggestion Box」もあれば、パフォーマンスマネジャーもいる。もちろん直属の上長に言うのもOKですし、人事部門にもキャリア相談窓口があります。いろいろなアプローチ方法があるので、自分にあった形でニーズを伝えることができるようになっています。
――ケースに応じた対話の窓口が開かれていて、それを選択することができるのですね。それでは最後になりますが、KPMGコンサルティングの社風を一言で表すと?
【大森】先ほどチームメンバーに聞いてみたら「穏やか」と返ってきました。確かに、一般的にコンサルティングファームというと社内競争も激しくガツガツしたイメージが持たれがちですが、KPMGコンサルティングではチームで助け合う文化がありますね。ある意味、「コンサルティングファームらしくない」かもしれません(笑)。
【奈良井】大森さんが言っていた、「一人ひとりのニーズを吸い上げる文化がある」という話にもつながりますが、やはり、人を大切にする文化があると思います。「ビジネスは人が作っていくもの」ということが、日々の仕事でもしっかり意識されていると感じます。
WOVEMENTS®は、KPMGコンサルティングの日本における登録商標です。