「明治プロビオヨーグルトR-1」シリーズに、ラベルレスボトルを採用し、6本を一箱にしたパックが新しく加わった。ラベルをはがす手間がかからず、環境にもやさしい。その裏には、忙しい毎日を過ごす女性の体調管理の習慣化に「R-1」を役立ててほしいという、開発担当者の想いがあった。

コンセプトは「強さひきだす乳酸菌」

「お客様の健康な毎日に貢献したい」と願う明治は、ヨーグルトという食品を通して、人々の健やかな生活に寄与している。なかでも6000種類以上から選び抜かれた乳酸菌「1073R-1乳酸菌」(通称「R-1乳酸菌」)を使用した「明治プロビオヨーグルトR-1」は、「強さひきだす乳酸菌」というコンセプトで、多くの人々の体調管理を後押ししてきた。

妊娠、出産、更年期など、ライフステージによってホルモンバランスが大きく変化する女性は、毎日の体調管理が大切だ。手軽に飲み続けられるドリンクタイプの「R-1」は、日々の体調管理に役立つと、働く女性からも高い支持を集めてきた。

ゴミ分別の手間が減り、プラスチックも削減

しかしその一方で、ラベルをはがす手間がかかるという声が多かったと、発酵開発部の榑林祐奈さんは話す。

榑林祐奈さん
くればやし・ゆうな/株式会社 明治 発酵デイリー開発本部 発酵開発部

「女性は、日頃から高い環境意識を持つ方が多くいます。ボトルのラベルをなくせば、忙しいお客様のゴミ分別の手間を減らせるだけでなく、プラスチックを削減することでSDGsのゴール達成にも貢献できると考えました」

そこで登場したのが、ドリンクヨーグルトでは初(※1)となるラベルレスボトルだ。

「ラベルレスボトルを採用することで、1本あたり約8.5%のプラスチック使用量の削減を見込んでいます。マーケットニーズの高い『R-1』のプラスチック使用量を削減することで、会社全体としてもSDGsに大きく貢献できると考えています」(榑林さん)

多くの消費者がプラスチック使用量の少ないラベルレスボトルを選ぶようになれば、社会的に環境負荷低減のムーブメントを加速させることにつながる。一方で、ラベルがはがせずにイライラすることや、ゴミ分別の面倒な手間もなくなる。一石二鳥ならぬ、一石何鳥もの効果が期待できそうだ。

※1 2022年7月明治調べ(インテージ社ドリンクヨーグルトカテゴリー登録のPETボトル商品をもとに自社で調査)

軽くて買いやすく、賞味期限内に飲みきれる

これまでは単品か12本入りかの二択しかなかった「R-1」。6本入りを開発した経緯を、乳酸菌マーケティング部の寺尾佑介さんが語る。

寺尾佑介さん
てらお・ゆうすけ/株式会社 明治 マーケティング本部 乳酸菌マーケティング部

「体調管理のためにも、毎日『R-1』をお飲みいただきたいと思っています。ただ、お客様から『12本入りだと、一人では賞味期限内に飲みきれない』というお悩みをよく聞きました。そこで、一人でも飲みきれる量の6本入りを発売することで、これまで都度買いしていた方も、まとめ買いがしやすくなると考えています」(寺尾さん)

「12本入りは重いからと購入を躊躇していた方や、冷蔵庫に入らないからと諦めていた方も、6本入りなら気軽にお試しいただけます」(榑林さん)

手前はラベルレスボトル。左の箱は「明治プロビオヨーグルトR-1ドリンクタイプ低糖・低カロリー(112ml×6)」、右の箱は「明治プロビオヨーグルトR-1ドリンクタイプ(112ml×6)」。希望小売価格は各855円(税込)。

力強い味方として、寄り添い続ける

国内でドリンクヨーグルトの販売金額No.1(※2)のブランドに成長した「R-1」だが、意外にも2009年に発売した当時は、現在のような評価を消費者から得ることはできなかった。

「R-1」は飲んだ瞬間にパワーが湧き出るタイプの商品ではなく、毎日の食事にとり入れることで、その人が本来もっている“強さ”をひきだしていく商品だ。そのため、すぐに変化を実感してもらうのは難しかった。

「しばらくは、まったくといっていいほど売れない時期が続きました。とにかく、毎日飲み続けていただくことを目標に、地道に毎日の『体調管理』の大切さを伝え続けました。その結果、継続的に購入してくださる方が少しずつ増え始め、多くの方からご愛飲いただけるようになりました」(寺尾さん)

「これからも、気がついたらお客様のそばにそっと寄り添うようなブランドであり続けたいと思っています」(榑林さん)

※2 インテージ社SRI+(全国小売店パネル調査)調べ ドリンクヨーグルト市場 2018年8月~2019年7月の累計販売金額

10年、20年先も下支えするブランドに

人生100年時代といわれるいま、「R-1」が目指しているのは、体調管理のさらにその先だという。

「休めない仕事や、家族行事など、体調管理を意識する動機は人それぞれだと思います。毎日の生活のなかに『R-1』をとり入れていただくことで、10年、20年先も自分がやりたいこと、やらなければならないことを達成できるよう下支えするブランドでありたいと考えています」(寺尾さん)

飲み続けてもらうために「R-1」がこだわっているのは、なんといっても「おいしさ」だ。

「私たちがつくっているのは、薬ではなく食品です。毎日とっていただくために『おいしさ』は欠かせません。弊社は『おいしさ』に徹底したこだわりがある会社ですので、開発担当者としては大変なときもありますが(笑)、毎日飲んでも飽きず、毎日飲みたくなるドリンクヨーグルトを目指しています。糖分や脂肪分が気になる方には、低糖・低カロリータイプも揃えています」(榑林さん)

女性の体調管理の習慣化をお手伝い

近年はダイバーシティに取り組む企業が増え、多様な働き方も広がり始めた。それでもまだ、女性特有の健康課題があることはあまり知られていない。

年を重ねるにつれ、美容や健康など、気になることがどんどん増えていくなか、一人でケアしようと頑張りすぎないでほしいと、榑林さんは働く女性にエールを送る。

「未婚・既婚、子どもがいる・いないにかかわらず、すべての女性は仕事や家のことなどで、毎日が忙しいですよね。私を含め、“不調がデフォルト”の状態が当たり前だと思ってガマンしている方が多い気がします。どこでも買えるおいしいヨーグルトで、忙しい女性たちの体調管理の習慣化をお手伝いすることができたら、同じ女性として、とてもうれしいです」(榑林さん)

Text=相澤洋美 Photograph=市来朋久