「給与口座にお金をほったらかしでも大丈夫?」「老後のお金っていくら必要?」……そんなお金の使い方や貯め方のわからない人は、“ライフプラン”を立ててみるのがおすすめ。そもそもライフプランとはどんなものなのだろうか。ライフプランを立てるとどんなメリットがあるか。女性のライフプランに詳しいファイナンシャル・プランナーに教えてもらった。

ライフプランを立てると人生の満足度がアップする!?

「ライフプランとは、いつ、誰と、どこで、どんな暮らしをしたいのかなど、生き方の計画表です。人生は日々の積み重ねなので、ぼんやり過ごしていても時間は過ぎていきますし、しっかりと計画を立てて目標に向かって行動を起こせば、人生も変わっていきます。ライフプランを積極的に考え、一つでも目標を達成できると、人生の満足度が上がります」

“ライフプランは人生を進めるためのエンジン”と教えてくれたのは、ファイナンシャル・プランナーであり、プラチナ・コンシェルジュ代表の田辺南香さん。そうした計画にはお金がかかわってくるため、一緒にマネープランも立てることが大切、と続ける。

プラチナ・コンシェルジュ代表取締役/ファイナンシャル・プランナー 田辺南香さん

「きちんとしたマネープランがあれば、あとから振り返った際、支払ったお金に対してよかったなと感じられる、満足度の高いお金の使い方ができます。反対に、せっかく買っても失敗したなと感じるものは無駄使いであり、当然満足度は上がりません」

では、収入が多く、お金に困っていなくても、マネープランを立てたほうがよいのだろうか。

「今、収入が多くてもそれが一生続くかわかりませんし、この先も今回の新型コロナウイルス問題のように想定外の事態が起こる可能性も。マネープランを立てておけば、万一にも対処できるので、必要でしょう」

教えて、田辺さん! こんなときはどうしたらいいの?

次に、プレジデント ウーマン読者のよくあるお金についての悩みを相談してみた。

悩み1:給与口座にほうっておいても貯まるお金。このままで大丈夫ですよね?

「収入が多くて余裕のある人にありがちなケースです。仮に普通口座に500万円貯まっていれば、『この金額をキープしていれば大丈夫』という安心感から増えにくくなります。意外に無駄使いが多くなるのもこのタイプ。ですから収入に余裕があるなら、使う口座と貯める口座を分けて、貯める口座は積み立てなどで増やしていく。いったん仕組みをつくってしまえば、ほったらかしでOKです」

悩み2:結婚、出産、マイホーム購入……未来の予定に合わせてお金はどう守る?

「いつ頃、どれくらいのお金が必要になるかを見積もって、すでに貯まっているなら別にキープしておく。足りないなら目標額から逆算して、毎月貯めていけば確実に貯まります。その貯蓄を捻出するために、毎月の支出を見直したり、収入を増やせるか検討してみたり、目標の時期や金額を練り直すことが、まさにライフプランであり、マネープランです。計画通りにいかなくても、貯めたお金は別のことにも使えますから、プランを立てることは無駄ではありません」

悩み3:コロナ禍で給料激減の可能性も! 今の暮らし方を見直す必要がありますか?

「大切なのは収入が減っても、その中でやりくりして満足度をキープすることです。そのためには、満足感を得られない“何に使っているかわからないお金=使途不明金”をなくすこと。そのうえで、削りたくないものと削ってもいいものに仕分けし、お金の断捨離をすると、収入が減っても満足度は維持できるでしょう。そのためには、1、2カ月だけ家計簿をつけてみるのも手。自分の使ったものを書き出すだけで、不要な支出に気づくことができるでしょう。特に今は、感染症対策でイベントが少ない時期。あまり変化のない中で記録すると“最低限使っているお金”が把握しやすいですよ」

悩み4:そろそろ定年が見えてきた。人生100年時代、老後の安心のためにいくら必要? どう残したらいい?

「老後に必要なお金は次の計算式で試算できます。

① リタイア後にかかる生活費やライフイベント費などの支出を出す。
② 公的な年金や個人年金、確定拠出年金などの老後の収入を出す。
③ ②から①を引いたお金が老後に必要なお金になる。

算出したら、そのままでいいのか、足りなければもっと貯蓄するか、運用するか、長く働くか、ライフプランに戻ってどうやってカバーするかを考え直します。退職時期ギリギリになると選択肢は減ってきますので、40代半ばを過ぎたら考えてみましょう」

悩み5:今後、お金に振り回されずに生きるには、どうしたらいい?

「お金に振り回されるとは、お金が足りなくて自分の好きなことができない、お金を工面するために無理に何かしなければいけない、という状態。そうならないためにもライフプランが必要です。いったんプランを立てて、たとえば『住宅ローンが払えなくなる』ということに気づいたら、『返済方法を見直そう』と、何かしら手立てを打って行動に移せるわけです。早ければ早いほど選択肢は多いでしょう」

「ライフプランコーチ」で簡単シミュレーション

今の年金生活者は、退職金が充実していたり、年金で暮らせたりと、さほどお金の心配をしなくていい世代。しかし、これからの世代は今ほどの水準でないことは確実だ。

「だからこそ、ライフプランを立ててお金のシミュレーションをしておくことは大切です。そうしたシミュレーションを自分でするのが難しい人は、まずは簡単に試算できるアプリなどのツールを気軽に触ってみるのもいいでしょう」

SOMPOひまわり生命が提供する「ライフプランコーチ」は、年齢や家族構成、金融資産など13程度の問に答えるだけで、人生に必要なお金を試算できる無料アプリケーション。WEBアプリなのでダウンロードの必要もなく、個人情報の入力は不要で、思い立ったらすぐシミュレーションできる。また、いったん入力した情報を保存することもできるため見直ししやすいのもポイント。

入力した画面はこちら。43歳会社員、配偶者あり、子2人。子どもたちの将来の夢も入力して試算。

「最初に“家計改善を得意とするコーチ”“保険全般を得意とするコーチ”など、自分でコーチを選べるのが楽しいですね。シミュレーションはざっくりすることも、細かくすることもできる、両方のニーズに答えてくれる機能も便利です。保存機能もあって簡単に見直せるので、結婚や出産、転職など大きなイベント、あるいはしたいことが変わったときに見直すといいですね」

入力した画面はこちら。43歳会社員、配偶者あり、子2人。子どもたちの将来の夢も入力して試算。

さらにうれしいのは、アプリで試算したあとにファイナンシャル・プランナーに相談できるところ。

「この結果で大丈夫な人はよいですが、そうでない人はファイナンシャル・プランナーなどの専門家に相談するのが近道です。考えが漠然としていても、やりとりするうちに、自分の中で考えが整理されるからです。また事前にシミュレーションできていれば、収入や貯蓄、生活費など相談に必要なデータがすでにわかっているので、すぐに対策から話ができてスムーズです」

ファイナンシャル・プランナーとは、対面だけでなく、オンライン相談もできるので、ウィズコロナ時代も安心。

「今回のコロナ禍でオンライン相談は一般的になりつつあります。オンライン相談なら遠くの方でも相談できますし、画面を見ながらいっしょにシミュレーションできて便利です。これからも、ますます増えるでしょうね」

最低限の支出が見える今は、ライフプランの立てどき。まずは「ライフプランコーチ」で気軽にシミュレーションしてみてはいかがだろうか。

超簡単! 無料アプリ「ライフプランコーチ」の特徴
1.約3分でライフプランを試算
2.現在の収入で、毎月いくら貯蓄すればいいかアドバイス
3.一覧とグラフで収支計算がわかりやすい
4.悩んだときはお金のプロ(ファイナンシャル・プランナー)に、無料(※)で相談できる
※初回のみ、相談無料

Text=池田純子 撮影=小林久井(近藤スタジオ) Edit=戌亥真美