“病気未満”の不調が続くとき、漢方が頼りになる
体がだるい、生理前でイライラしてしまう……。日々仕事に向き合うPRESIDENT WOMAN読者にとって、病気というほど深刻ではないけれど、どこか冴えない『プチ不調』はやっかいなもの。漢方内科医の小林瑞先生は、漢方治療がどのように不調にアプローチするのかを解説しました。
「西洋医学は疾患の原因となる悪いものを除去するという発想ですが、東洋医学は体全体を診て、不具合を整えて治療します。だから漢方治療では、『体がだるい』『検査では異常がないけれどしんどい』という病名がない不調でも、ひとりひとりの体質にあわせて、体が本来もつバランスを整えていく治療を始められます」と、小林先生。体調の悪さを我慢しがちな女性にとって、漢方治療は頼りになる存在といえそうです。
温めすぎはNG? 冷えの正しい対処法
その後は、元体操日本代表の田中理恵さんと小林先生のお2人による特別対談がスタート。
田中さんは現役引退後、周囲の人から手足が冷えていると指摘される機会が増えてきたそう。小林先生は「ご自身が困っていなければ、気温が低いときに手足が冷えるのは自然な働き。カイロなどで局部を温めすぎると逆効果になってしまう可能性もあります。温めのお風呂にゆっくりつかると芯から温まります」と説明。そのうえで、「まずは自分の冷えの原因を探り、体が本来持つ力を引き出してあげることを心がけて。若いうちはそれで整っていきます。それでも不調が続くようなら、漢方の力を借りることもできます」と話しました。
このほかに、田中さんによるデスクでできる肩甲骨のストレッチのレクチャーや、6つの生薬で温浴効果を高める入浴剤ツムラのくすり湯「バスハーブ」が当たる抽選会もあり、盛況のうちに前半が終了しました。
“女性のための漢方薬”に興味津々
休憩時間には、漢方薬メーカー「ツムラ」の漢方紹介ブースが登場。ツムラのくすり湯「バスハーブ」のサンプル配布や、ツムラ創業から伝わる歴史のある婦人薬「中将湯」などの展示がありました。普段から小さな不調に悩んでいる女性たちは、バスハーブの香りをかいだり、生薬一つひとつの薬効を尋ねたりと興味津々。ブースのにぎわいは終始途切れませんでした。
セミナー後半は、国際薬膳師・高木佑香先生による薬膳の講義や、ABCクッキングスタジオの先生による手軽にできる薬膳カレーの調理の実演なども実施。お楽しみは、薬膳カレーの試食タイム。香ばしいカレーを口に運んだ参加者は、そのおいしさに口元をほころばせていました。
参加した女性たちからは「漢方を身近に感じるようになった」との声が多数寄せられました。冷えに悩む20代後半の女性は「健康的な田中さんにも体の悩みがあり、身近な解決法を聞けてよかった」、40代の方は「日常生活の改善によって調子を保てることを改めて理解し、考え直すきっかけになりました」と話していました。
Edit=Embody Photograph=皆木優子