きっかけはベンチャー企業の広報会
実際に集まってきているベンチャー企業はどう感じているのだろうか。ココナラは当初、五反田で創業したのち、大崎、渋谷に移り、2017年五反田に移転してきた。
「渋谷に移ったころは5人ぐらいの会社でしたがみるみる会社が大きくなり、五反田に移ろうとしたときには40人になっていました。渋谷にこだわりを持つ企業にとって最後の目標はヒカリエ。しかし、とても新興のベンチャー企業の支払える家賃ではない。そこで目を付けたのが五反田だったのです。今では社員が52人ぐらいになっていますが、私たちはこれまでの家賃の3~4割減ぐらいで入居することができました」(ココナラ・マーケティンググループ広報・IRリーダー、古川芙美氏)
五反田に実際に移転するまで想像したことのないようなメリットを感じたという。
「五反田というのは渋谷に比べてざっくばらんな街。周囲には飲食店もたくさんある。飲食店などでは別のベンチャー企業の社員などに会い、気さくに話し合うようになります。渋谷出身のベンチャー企業は会社でTシャツを作っていて、それを見て意気投合して盛り上がることもあります。フリーさんはみんなTシャツを着ているので知っている人がいれば声をかけます。ベンチャーは月末によくオフィスで締め会という飲み会をやるのですが、お互いその締め会に行き来するなどの交流を深めています」(古川氏)
実はベンチャー企業にとって最大の課題は優秀な人材の確保。しかし、まだ立ち上げたばかりのスタートアップ企業は人材を確保することが難しい。そんな問題でも五反田は非常にいい場所だという。
「ベンチャーが多いので、お互い人材を紹介し合うこともできます。そうしたことができるので渋谷から出ていきたくないという企業が多いのですが、家賃があまりにも高騰してしまっているのです」(木幡氏)
そんな五反田に移転していったベンチャー企業はおのずと結びつきが強くなっている。そのきっかけとなったのが、五反田のベンチャー企業の広報会だ。
「当初はトレタの田美智子さんという女性の広報がITベンチャー広報会を呼び掛けたのです。それを2016年ごろにはじめてやって、田さんは17年3月に退社してフリーランスになってしまいました。その後、17年末に再びこの会が開かれました。私は17年の8月にココナラに入社して田さんと交流を持ち、これは面白いとおもいました。それで『みなさん、ミーティングしましょうよ』と声をかけたら、みなさんが動いてくださった」(古川氏)
その後、広報会は五反田の主要ベンチャー企業6社で構成される「五反田バレー」に発展、現在、15社ぐらいが名乗りをあげているという。五反田バレーの代表を務めるマツリカ共同代表の黒佐英司氏は言う。
「私たちが恵比寿から五反田に移ったのは2年前です。引っ越してきたころはなぜ五反田なんだといわれていたのですが、17年ごろから広報会の方でそうした話がでてきて、社長の集まりでも何かできないかということになったのです。それが五反田バレーという形になりました」
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