【森本】最近、日本の労働人口の約49%が10年~20年先にはAIやロボットに置き換わるかもしれないといわれています。今関わる業務がロボットに置き換わるかもしれないと思うと、自分のバリューアップやスキルアップは、自分で責任を持って開発していかなきゃいけない時代に来ています。特に女性は、MBA(経営学修士)を取得したり、実用的な資格取得に前向きな方が多いと転職に関わっている中で感じています。
そういった意味で、証券アナリスト資格者の二人にお話を伺います。この資格は、企業価値を分析するのに必要な知識を学べる資格です。まだ女性の取得が少ない分、社内でのキャリアアップや転職でも、強いアピールにもなりますよね。お二人はどのように勉強されたんですか?
【鳥居】平日は仕事で忙しかったので週末に集中的に勉強しました。好きな時間を活用できる資格学校のオンライン講座を自宅で受講しました。
【小野】私は、家に帰ってしまうとだらけてしまうので、仕事前の朝早い時間や仕事帰りにカフェに寄って勉強していました。好きなコーヒーやケーキを励みにしていました。
【森本】お二人は金融系のお仕事ですが、金融以外の分野でも、例えば数値管理や分析を行うような財務や経営企画、IR、そして場合によっては営業などの方にも、活用度の高い資格ですね。
【小野】そう思います。私は今、新しい投資信託を企画する仕事をしていますが、この資格が直結する仕事ではないんです。でも、実は個人でも、ポートフォリオ理論は資産を考えるうえで土台になるんですよ。それに、為替や経済政策の話というのはぼんやりニュースを見ていてもわからないものですが、この資格の勉強を通じてニュースの背景も見えるようになりました。
【鳥居】私は現在、日本株のアナリストとして仕事をしており、担当する業界に属する企業について投資判断を行います。証券アナリストの資格で得たことは、そうした担当の企業の経営者やIRの方とディスカッションしたり、財務分析したり、業績予測をしたりするうえで、不可欠な知識です。
【森本】女性の活躍できる分野が広まる今、「数字」が読めるスキルや関連した資格を持った女性は大きなメリットがあります。それに、一夜漬けの勉強で取れるような資格でない分、その人が本気でそこに向き合う姿勢と、仕事をしながら勉強する計画性があって取得したことの証明になります。
【鳥居】担当している企業のIRの方とお話しするときも、すでにアナリスト資格を持っていれば、話のスキームや専門用語、レベルも一気に上がり、同じ土俵で議論ができます。ほかにも、自社の戦略を練る経営企画やM&Aなどに関わる人にもとても有効だと思います。
【森本】これからは女性も経営の意思決定にどんどん関わっていく時代です。これまでは女性にも人事や広報やマーケティングのプロはいましたが、経営数字を読める人材は少なかったのです。この資格を取るプロセスで学び得ることは、経営を語るうえでも強みになります。また、周囲の人にも「経営のレベルで話ができるんだ」とわかってもらえる資格ですね。こうした女性は、今、社外取締役などでも引く手あまたです。
【小野】こうして財務などを学ぶと、自社や投資先の財務状況が気になり、そこから会社の収益の上げ方や経営戦略に関わりたくなりました。商品と経営の戦略など、今後はもっと視野を広げていきたいと思っています。
【森本】100年ライフといわれる中で、女性も働き続けるのはもう当たり前の時代です。同じ1時間働くのなら、1時間のバリューが高い方がいいじゃないですか。女性は賢明ですから、自分がどの場所で、どんなスキルを磨けばバリューが高まるかにとても関心が高いです。時間を投資して資格を取りに行くなら、どんな分野が学習の中で本当に血と肉になるかを考え、賢い選択をしたいですね。
証券アナリストの資格とは?
どんな資格?
会社の実力を見極めて、株価がその会社の実力を正確に表しているのかどうかを分析するのが“証券アナリスト”。そのために必要な知識を勉強できるのが、“証券アナリスト資格”です。企業財務や投資理論の学習、資本市場の理解、M&Aに必要な知識が得られます。
様々な分野で活躍する証券アナリスト資格者
自分のペースで計画的に取り組める
女性のためのキャリアセミナー
~ビジネス数字に強くなる! 証券アナリスト資格を知ろう~
日時:11月8日(水) 19:00~
プログラム:
●基調講演<森本千賀子さん>
●証券アナリスト資格とは?
●証券アナリスト・ウーマン対談
場所:CAFE SALVADOR BUSINESS SALON
東京都中央区日本橋茅場町1-5-8
定員:50名
参加費:500円(軽食、ドリンク付)
詳細・申込:本イベントは開催終了致しました。多数のお申し込みありがとうございました。
Text=岩辺みどり Photograph=工藤朋子