「中学受験ブーム」に流されないで
新学年が始まり、通塾を検討したり、中学受験を考えたりするご家庭があるかもしれません。ただ、昨今の首都圏などの中学受験ブームを見ていると少し異常な過熱ぶりです。
たとえば、数年前には「小学3年生までに入塾しないと満席で入れなくなる」という言説がありました。少子化の影響で早くから生徒を集めようとする塾業界の影響もあるでしょうが、親御さんたちの焦りも反映されているのでしょう。
特に同世代が多く住むような地域では、局所的な情報に流されてしまいがちな傾向があると感じます。「みんながやっているから、うちもやらなくちゃ」と焦ってしまっているのが実態です。
しかし、小学校のカラーテストの点数がいいからと受験に向いていると結びつけるのは尚早です。授業を真面目に聞いていれば点が取れますし、一人の先生が複数の教科を教えるため、先生との相性も大きく影響します。
また、低学年向けを売りにした講座も出てきていますが、定員やクラスを少なめにして満席をアピールするという塾の戦術であることも考えられます。また、新しい講座には学力向上に直結するかどうか、検証不足なものもあるかもしれません。背景には少子化やブームがあることを改めて認識したうえで、一度立ち止まって考えてほしいと思います。
では、中学受験に臨むかどうかを、何で判断すればいいのか。もちろん一番はお子さんの意向が優先されるべきではありますが、「習い事に臨む姿勢」は一つの判断の目安になります。
習い事から「プレッシャーに耐えられるか」見る
まず前提として、私自身は「能力的に受験に向かない子」はいないと考えています。30年以上現場で数多くの子供たちを見てきましたが、どんな子にも必ず伸びるタイミングは来ます。
そこで親御さんに注目いただきたいのは、対象のお子さんが、「いま」の時点で、中学受験というプレッシャーに耐えうる「成熟度」に達しているかどうかという点です。
中学受験では、困難な壁にぶつかっても、他人のせいにせず踏ん張れるかどうかが求められます。たとえ理不尽な結果がでても、受け入れ、気持ちを切り替えて前に進めるかどうかです。お子さんがいまその段階にあるのかどうか。「成熟度」が今どのレベルにあるのかを見極めるための目安として、私は「習い事」への取り組み方に注目しています。
小学生の定番の習い事である「水泳」は、よい例です。水泳をやっている子は体幹が鍛えられているため、塾の長時間の授業でも姿勢を崩さずに集中して座り続けられるというメリットをよく聞きます。しかしここで注目したいのは、水泳が「言い訳のきかない個人との戦い」だという点です。


