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限られた人にしかできないのか

「速読ができたらどんなにいいことか」――そう思った経験のある人は少なくないだろう。教科書や参考書を読むとき、3倍速くインプットできれば、これまでなら最初から最後まで1回読むのがせいぜいの時間でも、3回読むことで、より学習の定着を図れる。あるいは、余った時間を他の教科の勉強や習い事、遊びに充てることだって可能だ。試験でも、問題文の読み取り時間が速くなれば、その分考える時間を得られ、解答の精度が上がる。

一方、速読に対しては「本当にそんなうまい話があるの?」「ただ単に速くページをめくっているだけで、頭に何も残らないんじゃないの?」といぶかる向きもあるだろう。

「方法論を知って、それを実践し、『速く読めるようになった』と実感できるかどうかが、速読が身につくか否かの分かれ目。せっかく挑戦したいと思ったのなら、まずは信じてやってみてください」――そう語るのは、速読やマインドマップを取り入れた学習塾を運営している照井留美子さんだ。照井さんは「速読法に挑戦するなら、親子で一緒がいい」という。「子供に身につけさせたいと考えるなら、まず、親が実践してみること。親が半信半疑だと、子供にもそのことが伝わってしまい、身につきにくくなってしまいます」

安彦美穂さん・こゆきちゃん(小6)も、親子で一緒に照井さんの速読講座に参加した。

「わたし自身が家事などに追われ、読書の時間がとれなかったことから、速読には以前から興味があったのですが、受講の決め手になったのは、中学受験を控えた娘の、国語の成績が伸び悩んでいたこと。解答時間が足りなくなるらしく、解答用紙の後半部分は白紙も同然だったんです」(美穂さん)

そうした状況に対し美穂さんは、ただ単に「速く読めばいいのよ」と諭すくらいしか対応が思いつかなかったという。ところが美穂さんが実際に中学「速読ができたらどんなにいいことか」受験の入試問題を解いてみると、普通に努力するだけでは立ちゆかないことが身をもってわかったのだ。「最近の問題は想像以上に分量が多くて。50分で解くなんて絶対に無理でした」という。

照井さんの講座で速読の手法を学び始めてから1カ月ほどで効果が表れた。

「以前は模擬試験で時間が足りず、解答用紙も空欄が目立ったのですが、最後の設問まですべての答案を書けるようになったのが大きな進歩。最後まで解答欄が埋まることで、たとえ間違えても、何を克服すればいいかが明確になったんです。また、親子で一緒に始めましたが、娘はわたしに比べ文字に接する機会が多いせいか、ずいぶん速読になじんできていると実感しています。学年がかわって新しい教科書が配られたときも、一通り全ページを速読することで、“クラスの子に差をつけている”という自信が生まれているようです」と説明する。

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