卒業証書が添えられている、大卒マグロの刺し盛りを味わう

大卒のマグロをご存じだろうか。いま関西では、近畿大学を「卒業」した、その名も近大マグロがうますぎると大評判なのだ。その味を確かめるため、マグロ好きの取材班は新幹線に飛び乗り、大阪へと向かった。

この春、大阪駅前にオープンした大型複合施設「グランフロント大阪」。その一角に、近大が経営するレストラン「近畿大学水産研究所」がある。なにやら難しそうな店名だが、研究施設ではなく、れっきとした飲食店だ。取材で訪れたのはゴールデンウイークまっただ中の5月初旬。店内は大勢のお客さんでにぎわい、通路には順番待ちの長い列ができていた。多くの人たちのお目当ては、もちろん近大マグロである。取材班も、さっそくいただいてみることにした。

「本マグロ三昧お造り盛り」。料理を盛る器を作ったのは、文芸学部芸術学科の学生たち。農学部食品栄養学科の学生たちは、料理の栄養価を計算。

大皿に美しく盛られた「本マグロ三昧お造り盛り」(2,800円、写真)には、そのマグロが近大卒だということを証明する「卒業証書」が誇らしげに添えられている。箸をつける前に、まずはそれを読んでみよう。

「あなたは近畿大学の水産養殖課程を優秀な成績で卒業され、お客様にご満足いただけるよう立派に成長したことをここに証します」

そう。近大マグロとは、近大の養殖施設で生まれ育った養殖マグロのことなのだ。卒業証書には、水揚げされた日がきちんと記されている。

「やっぱり魚は天然でなきゃ」という考えが頭に浮かぶが、まずは食べてみてからだ。赤身、中トロ、そして大トロの順番で、ゆっくりと味わう。

「めっちゃうまいわ!」

思わず飛び出た感想は、関西弁になっていた。