社会人として自立するためのガイド

社会人になるとはどういうことか。仕事のうえでは、単なる自分の感想ではなく数字などの事実をベースに論理を積み上げ、考えを述べたりレポートにまとめたりしなければならない。最初の5冊は、社会人としての基本を知るための入門書だ。『自分のアタマで考えよう』は、そのときどうすればよいかを導いてくれる。

手前味噌で恐縮だが、職場の礼儀作法を知るには弊社の副社長・岩瀬大輔が書いた『入社1年目の教科書』が役に立つ。ノウハウを知ったあとは、私の著書『「思考軸」をつくれ』で自分なりの考え方をどう確立するかを学んでほしい。

仕事よりも私的な時間が大事だというのが私の持論。『働きながら、社会を変える。』を読むと、仕事一辺倒ではない別の道もあることに気づかされる。もっとも、あまり堅苦しく考えるのもよくない。『元気と勇気が湧いてくる経済の考え方』の帯には「明るく“回り道”をしよう」とあるが、賛成である。

『自分のアタマで考えよう』ちきりん/ダイヤモンド社
月間100万PVを誇る人気ブロガーが、データを読み解きロジカルに自分の考えを組み立てる方法を公開。「2011年のビジネス書でNo.1だと思います」。

『入社1年目の教科書』岩瀬大輔/ダイヤモンド社
「社会人の礼儀作法」がわかる本。30代でライフネット生命保険の副社長になった著者が仕事の原理原則と具体的方法を伝授。ベテランにも読み応えあり。

『「思考軸」をつくれ』出口治明/英治出版
先の見えない時代には、自分だけの「ものの見方」を鍛えることが重要だ。「思考軸」を磨けば、社会に求められ、一生挑戦しながら働くことができると説く。

『働きながら、社会を変える。』慎泰俊/英治出版
外資系金融機関で働く26歳の著者は、同世代の仲間と「子供の貧困」に取り組む組織を立ち上げた──。ビジネスマンも社会貢献は可能だと教えてくれる。

『元気と勇気が湧いてくる経済の考え方』柳川範之/日本経済新聞出版社
日常生活に経済の考え方を織りまぜ、どんな発想や考え方をすれば明るい見通しが立ち、生き方の選択肢が広がるかを軽妙に解説。「明るい回り道」のススメ。