「リスニング力を着実に伸ばしていくには、勉強法全体をデザインしてから取り組むのが効率的。まずは勉強時間の確保とその習慣化、視聴すべきチャンネルの適切な選択ですね」

YouTubeなら、パソコンやスマホ、iPadなどがあれば、今やいつでも、どこでも、何回でも見られる。「一番のセールスポイントは、やる気さえあれば、誰でも無料でできることなんです」と彼も強調する。TOEFLなどの試験問題形式のリスニング教材に、相当な出費をしてきた彼だからこそ、飽きずに、楽しく学べて、種類が豊富。しかも無料の“YouTube教材”のありがたみがわかるのだ。

「自分は三日坊主で終わるはずだ」と諦めムードの人に、YouTube勉強法を楽しく続けられるコツを聞いてみた。本山さん提案の「三日坊主撃退法」は3つ。

【1】「最初は聞き取れなくて当たり前」ぐらいの気持ちで続けてみる。
「できるだけ英語字幕を見ずに聞き流すことが基本。でも最初は字幕に助けてもらいながら、無理せず動画を楽しむぐらいの気持ちでいい」また、英語をいちいち和訳するクセが抜けない人は、リスニングが上達しない。聞き流すクセをつけること。

【2】最初は1回5分から、30分、1時間と延ばしながら、生の英語のリズムや速さに慣れる。
「YouTubeには1本5分前後で、内容盛りだくさんなESL(「English Second Language」の略称、英語が第二言語の人向けの英語教育)チャンネルが充実しています。それらはとても聞き取りやすいので安心です」

【3】リスニングの上達ぶりを定期的に「見える化」して勉強の意欲を保つ。
「TOEFLの試験を定期的に受けてみたり、勉強を始めて10カ月目以降なら、洋画や海外ドラマを字幕なしで見たりして、自分のリスニングの上達ぶりをまめに実感することで勉強への意欲をうまく保つこと」

3つの三日坊主撃退法を胸に、本山さん解説によるリスニング英語勉強法を読み進めていただきたい。

本山勝寛
1981年生まれ。東京大学工学部卒。韓国への1年間の語学留学(韓国語能力試験で最上級6級取得)を経て、ハーバード大学教育大学院国際教育政策専攻修士課程修了。リスニングを中心とする1年足らずの独学でTOEFL(CBT)を180点から273点に急上昇させてハーバード合格を実現。現在は日本財団広報担当。YouTubeを活用した日本初のドキュメンタリー映像コンテストにも関わる。
(矢木隆一=撮影)
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