2013年1月28日(月)

なぜ「レストラン閉店後の利用」にも応じるのか -ザ・リッツ・カールトン東京

プロファイル営業術

PRESIDENT 2010年12月13日号

著者
三浦 愛美 みうら・まなみ
フリーランスライター

1977年、埼玉県生まれ。武蔵大学大学院人文科学研究科欧米文化専攻修士課程修了。構成を手がけた本に『まっくらな中での対話』(茂木健一郎ほか著)などがある。

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三浦愛美=文 小原孝博=撮影 ザ・リッツ・カールトン東京=写真提供
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ビル・ゲイツと日本人の違い

「世界に名だたるラグジュアリー(高級)ホテルなのに、荷物も持ってくれないわけ? 1泊5万円もするのに!」

【ザ・リッツ・カールトン東京】
アメリカの旅行雑誌「コンデナスト・トラベラー」の2009年ホテルランキングで、アジア部門において第2位にランキング。世界が認める「日本一」のホテルとなった。

東京、港区にある米国系外資ホテルへのチェックインのときのことだ。このホテルへの宿泊を3週間も前から心待ちにしていたA子さん(40代・医師)は、ぞんざいなレセプションでの対応に失望した。当然ホテルの人が部屋まで自分の荷物を持って案内してくれるのだと思っていたからだ。

ところが言われたのはただ一言、「エレベーターはあちらです」。

そんな接客ならファミレスでもできる! 失礼しちゃうわ、と最高のサービスを心待ちにしていたA子さんは烈火の如く怒った。

「高級ホテルは荷物を部屋まで持ってきてくれる」という日本人の強い先入観とは逆に、米国系のホテルでは、自分で持てる程度の荷物を運んでくれることはない。ところ変わればサービスの内容も意味も変わるのだ。

外国人宿泊客の割合が50%を超すこのホテルは、決して質が悪いわけではない。むしろあらゆる面で最高のサービスを施すホテルの1つとして世界中から認知されている。それほど高級なホテルでも、日本人好みのかゆいところまで手が届くサービスを施せるとは限らないのだ。しかし、リッツ・カールトンは違う。

六本木のミッドタウン・タワーの最上層にあるザ・リッツ・カールトン東京は、アメリカの旅行雑誌「コンデナスト・トラベラー」が毎年行う読者によるホテルランキングで、2009年、アジア部門において第2位にランキングされた。アジアで第2位ということは、実質上日本一のホテルと世界から認められたということだ。オープンが2007年だったことを考えれば快挙といえる。

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