「3びきのこぶた」「にんぎょひめ」「アリとキリギリス」など幼少時に親しむ童話には不思議な現象が数多く登場する。東京理科大学理学部第一部物理学科教授で北九州市科学館スペースLABO館長の川村康文さんらが科学的に検証した。今回は「おおきなかぶ」編をお届けしよう――。

※本稿は、川村康文・小林尚美・北川チハル『かがくでなぞとき どうわのふしぎ50』(世界文化社)の一部を再編集したものです(イラスト=ハラアツシ)。

おおきなかぶ

かぶのタネをまいた おじいさん。

こころをこめて そだてました。

できたのは、見たこともない 大きなかぶ!

どれくらい大きいの?

どうやったら ぬけるかな?

あまくて おいしいかぶをみんなでどうやって食べようかな?

おじいさんが、はたけに かぶの たねを まきました。

やがて、だれも みたこと ないほど おおきな かぶが できました。

おじいさんは おおよろこび。

「きっと おいしい かぶに ちがいない。さあ、ぬくぞ。うんこらせ!」

ところが、かぶは まったく うごきません。