どんなときも飼い主の心身の健康が鍵を握る

災害時にペットを連れて避難所まで避難することを「同行避難」という。近年広がりつつある考え方だが、ペットの滞在を受け入れるかどうかは避難所によっても異なる。ペットにストレスを与えることにならないかも気がかりだ。

「未来への不安という意味では、猫は人間ほどはストレスを感じません。環境の変化に対するストレスはあるものの、『この後どうなるんだろう』という不安はむしろ人間のほうが感じやすいのではないでしょうか。また、そんな不安を感じている人間と接することで、猫のストレスは大きくなります。飼い主が自分自身の不安を取り除くことも重要だと知っておきましょう」

服部先生は、結局のところ「飼い主自身の健康」が何より重要だという。

「特にひとり暮らしの人は、猫の体調管理と同じように自分の体調管理もすることが大切な猫を守ることにつながると肝に銘じましょう。災害時も同じことで、自分に何かあれば猫だけ助かる可能性は極めて低くなります。飼い主自身が安全で健康な状態になければ猫と一緒に逃げることも、猫を助けることもままならないということを、あらためて認識してほしいですね」

「もしも」に備えて
もしもなんて来ないと思ってた猫』(実業之日本社)より
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