セックスレスの既婚者男性と出会い不倫関係に

「夫とは同じ職場で知り合い、共通の友人も多いため、セックスのことをあけすけに話すことには抵抗があるんです。学生時代の友人はみんな夫婦円満なので、私が夫とのことを打ち明けて彼女たちから同情されるなんて耐えられない。だからこそ、知り合いでもなく利害関係もない相手に話を聞いてほしかったんです」

その後まもなくK美さんは既婚者専用のマッチングアプリの存在を知り、すぐに登録。夫と同じ肩書きの「2歳年上の会社員」という男性と知り合い、会うことになったという。

「相手も既婚者で子どもがいるということだったので、『おかしなことはできないだろう』という安心感がありました。そうして何度かお茶をしたり食事に行ったりして相談しているうちに、彼自身も妻とセックスレスであることを知ったんです。同じ苦しみを共有しているうちに彼に対して恋愛感情が芽生え、気持ちを伝えたところ『オレも同じ気持ちだよ』とお互いに傷をなめあうように不倫関係になりました」

1年以上の不倫が続く今、K美さんの心のよりどころは彼と会う時間だと話す。「彼と過ごす時間があるからこそ、夫とはセックスレスでも生活をしていくことができると感じています。このまま夫婦関係を続けていくためにも、彼とはしばらく別れられそうにありません」。

手をつないでいる男女のバックビュー
写真=iStock.com/west
※写真はイメージです

7歳年下の女性と毎週末ランニングしていた“いい夫”

【CASE2】一緒に趣味を楽しめる相手がほしかった夫

結婚16年目で2人の子どもの父親でもあるY太さん(47歳)の趣味はランニング。平日は毎朝、休日の午後も自宅近くを走っている。「自分で言うのもなんですが、これまでの僕はいわゆる“いい夫”だったと思っています。家事や育児も協力的だし、酒やギャンブルにお金を投じることもなかった。ただ走ることだけが毎日の楽しみだったんです」。

そんな“いい夫”のY太さんが既婚者向けのマッチングアプリをはじめたのは「一緒に走る楽しみを分かち合える仲間がほしかったから」。4歳年下のY太さんの妻はインドア派。外に出るよりも家で海外ドラマを観て過ごしたいタイプだという。「自分が既婚者と知って出会うなら、浮気やお金が目的の出会いとは違い、もっとカジュアルな関係を築けると思ったんです。どれだけ誘ってもランニングに一向に興味を示さない妻に対して、物足りなさを感じていたのも事実です」。

Y太さんがマッチングアプリで知り合ったのは、既婚者だが子どもはいない、隣駅に住む7歳年下の女性ランナーだった。「はじめは近所のファミレスでお茶をしながらランニングの話をするだけでしたが、それでもとにかく楽しかった。3回目に会ったとき、彼女のほうから『せっかくだから一緒に走りませんか?』と誘われたことがきっかけで、それから休日は2人で同じコースを走るようになりました」。