長谷川議員のブログでの反論を航空業界関係者が“論破”

騒ぎを受けて、長谷川議員は、自身のブログを更新。吉さんから指摘されていた「非常に横柄な態度」やCAの手紙にあった「わがまま、高圧的な言い方、異常な剣幕」については一切触れない代わりに、2441文字にわたり以下のように反論を展開した。

本日は航空政策および飛行機の遅延についての考え方を述べたいと思います。
私は、航空会社の対応について、機内で発言をする際、三つの原則に従います。

一つ目は「正確な情報を伝えているか」、
二つ目は「不都合な情報をしっかりと開示しているか」、
三つ目は、「正しい見立てを立てた情報発信となっているか」の三点です。

としたうえで、3点について、具体的事例を挙げた。

画像=参議院議員 長谷川岳 オフィシャルブログ「長谷川岳 強い北海道をつくる!」Powered by Amebaより
画像=参議院議員 長谷川岳 オフィシャルブログ「長谷川岳 強い北海道をつくる!」Powered by Amebaより

以下では、それぞれの論点において、長谷川議員の主張を整理している。それに対し、今回、筆者が航空会社関係者に取材した意見を付けている。読者の判断の参考にしてほしい。

①「正確な情報を発信しているか」についての事例

【長谷川議員の主張】搭乗した飛行機の出発が大幅に遅れており、出発時間をとうに過ぎてから「管制の指示によって出発許可を待っているため遅れが生じている」との機内アナウンスがあった。しかし、飛行機の中から外を見ると、機内への貨物の搬入作業中であったことから、「遅延の原因は管制の指示ではなく、航空事業者の準備の遅れ。これを航空当局の責任にすりかえ、それを情報として流すことは許されるものではない」と、その場で発言した。

【▼航空会社関係者の声】日々の運航判断は、限られた情報で短い時間の中で判断を迫られる仕事であり、刻々と状況が変わる難しさがある。管制の指示の遅延幅が、貨物搭載準備遅れ以上にある場合には、お客様には「管制遅延」をご案内する可能性がある。

②「不都合な情報を開示しているかどうか」についての事例

【長谷川議員の主張】大幅な出発遅延があり、機内で出発を待っているときに「出発準備に時間が生じている」とのアナウンスがあった。しかし、実際は、搭乗券と機内の搭乗者数に大幅な差が生まれ、その確認業務に多くの時間を要していた。ゆゆしきミスなのに、機内では「搭乗、出発準備に時間を要している」とのアナウンスだけ。「本来ならば『その確認に時間がかかっている』ことを航空会社として開示するべき」と、その場で発言した。

【▼航空会社関係者の声】お客様に正しい情報を伝えることは大前提である。ウソの情報を発信することなく、お客様に過度の不安を抱かせることを避けるために、広義の意味で「出発準備」とご案内するケースがある。

③「正しい見立てを立てるかどうか」についての事例

【長谷川議員の主張】出発が大幅に遅れ、「10分ほど遅延をする」とアナウンスがあった。乗客一人が、突如飛行機を降りることとなったことが原因だったが、実際は60分近くの遅延となった。本来、地上業務と客室と貨物室とが十分な連絡をとっていれば、1時間近く遅延が見込まれることを乗客に伝えることができたはず」と、その場で発言した。

【▼航空会社関係者の声】基本的な姿勢として、多めにバッファを持った遅延幅ではなく、スムーズに手続きが済む時間を見積もる。荷物がすぐに取り降ろせれば、10分程度の遅延で出発することも十分にある。荷物の取り降ろしについては、搭載場所や荷物形状などにより時間が変わるため、正確な見積もりは難しい。