吉野流・成功の三原則

いずれにしても受験勉強を「頑張った」ってことは、人生にとってすごく貴重な体験だ。

俺は私立文系だったから、物理や化学を勉強していないけれど、だからといって物理や化学の勉強はムダとは思わない。受験勉強に真剣に取り組んだからこそ、物理や化学が、古文や漢文と同じぐらい価値があるとわかるからだ。

頑張った経験は、社会に出てから成功する可能性を高めてくれる。

俺の考える成功の三原則とは「機敏さ」「行動力」「社交性」だ。

まず機敏さというのは、フットワークの軽さだ。気になる情報を耳にしたら、すぐに調べてみる。興味をひかれた本は、すぐに読んでみる。思い立ったら、すぐに動くことが大事だ。

行動力は、まず自分自身が動けということ。どんなに素晴らしいアイデアを思いついても、自分から動かなければ、何も始まらない。

社交性とは、積極的に人間と関われということだ。メールより電話、電話より会いに行け。自分の体と時間を使って、誰かに会って話す時間を何よりも大切にしろということだ。

結局、社会で成功するには人脈、つまりコネが絶対に必要なんだ。社内で新規事業を任されたとき、自分で会社を興すとき、すべてにおいて重要なのは、助けてくれる人がどれだけいるか。そういった人脈やコネをつくるには、機敏さ、行動力、社交性といった三原則が絶対に必要になる。

「3つの力」を持っている人は成績が上がる

受験勉強でも、この3つの力を持っているやつは成績が上がるんだよ。勉強に積極的に取り掛かる姿勢には、機敏さや行動力が必要なのは言うまでもない。じゃあ社交性はいるんですかって、よく聞かれるけれど、いるんだよ。先生や友達にわからないところを教えてもらったり、この参考書いいよって貸し借りしたりね。ひとりでこもって勉強するより自習室で友達と勉強したほうが、勉強と休憩のメリハリが利いてはかどる。

だから人生の中で受験勉強を頑張ることは、それだけで大いに意味があることなんだ。俺自身、たった4カ月頑張ったことで、今がある。成功するには今、一生懸命頑張るしかないんだ。

入試の勝利を願ってだるまの左目に墨を入れる
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