情報と知識の違いを明確にする

みなさんは、「情報」と「知識」をきちんと区別しているでしょうか。

ビジネスに情報が不可欠であることを否定する人はいないでしょう。ところが情報と知識を混同して、何でも集めてストックしようとする人が少なくない。これはかえって効率を落とします。

知識をストックしていけば、「ものしり」になることができるかもしれません。しかし、ものしりだから仕事がうまくいくわけではない。むしろ大量の知識は、情報処理の邪魔をします。やみくもに知識をかき集めることで、個人のパフォーマンスは落ちるのです。

自分で情報収集を行うとき、あるいは人に情報収集の指示を出すときには、7つのポイントを明確にすることが大切です。

「誰のため? 何のため?」(WHY)/「何を」(WHAT)/「どこから」(WHERE)/「誰が」(WHO)/「いつ」(WHEN)/「どうやって」(HOW TO)/「どのくらい」(HOW MANY)

表を拡大
「何を」「どこから」「誰が」「いつ」「どうやって」「どのくらい」をリスト=表に落とし込む。特に意識したいのは、どのくらいという情報の量だ。6割を決断の目安にするといい。

たとえば、あなたがイベントの集客に影響を与える天気情報を必要としていたとします。このとき「天気情報を調べてこい」と曖昧な指示を出すと、相手は不足がないように、できるだけ多くの情報を集めようとします。

曖昧な指示は、相手の負担を増やすだけではありません。膨大な情報を前にして、あなた自身も途方に暮れることになります。

情報収集や情報処理に関するムダな作業を減らすには、まずは欲しい情報を明確にする必要があります。天気情報が欲しければ、次のように指示します。

「○月×日の降水確率を、気象庁から入手してください。イベントの集客分析に必要です。担当は○○さんで、明後日までにお願いします」

このような具体的な指示により、担当者もあなたもムダな作業を減らすことができます。