2012年11月16日(金)

サッカー賭博はお咎めなしか、大問題か。その境界線はどこにある

生活とお金の損得【サッカー賭博】

PRESIDENT 2011年12月19日号

著者
津田 岳宏 
弁護士

1979年生まれ。京都大学経済学部卒。中学時代に麻雀を覚え、フリー雀荘での従業員等を経験した後に弁護士へ。松枝法律事務所(京都弁護士会所属)。著書に『賭けマージャンはいくらから捕まるのか?』がある。

弁護士 津田岳宏 構成=小檜山 想
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「天丼1杯」はシロ
「現金1円」はクロ

競馬、競輪、競艇、オートレース。そしてサッカーくじを含む宝くじは法律で認められていますが、それ以外のギャンブル、たとえばサッカー日本代表の試合で勝敗の行方について友人と1000円賭けたり、社内ゴルフのコンペで1万円ずつ出し合って勝者が総取りしたりするといった行為は、刑法185条によってすべて賭博罪になります。

刑法185条の条文は以下の通りです。

〈賭博をした者は、50万円以下の罰金又は科料に処する。ただし、一時の娯楽に供する物を賭けたにとどまるときはこの限りではない〉

賭博とは厳密にいうと「賭事」と「博戯」に区別されます。「賭事」は自分自身が勝負の主体となるギャンブルで、先のゴルフコンペや賭け麻雀がこれにあたります。一方の「博戯」は誰かが勝負をしていてその勝負の結果を当てるギャンブルのことで、サッカーの試合の勝ち負けに賭けるとか、角界を揺るがした野球賭博などがこれに該当します。海外では「賭事」と「博戯」を分けて処罰する国(ドイツ刑法では「賭事(Wette)」は不可罰)もありますが、日本では同じように処罰しています。

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事実上はセーフ。ただし要注意のケースも!

なお、条文には「一時の娯楽に供する物を賭けたにとどまる」場合は賭博罪にならないという一文があります。一時の娯楽に供する物とは、その場で消費される物で、判例上では「天丼1杯」「たばこ1個」が一時の娯楽に供する物と認められています。

ただし、金銭に関しては金額の大小にかかわらずクロ。500円でも1000円でも、極端な話1円でも友人同士でお金を賭ければ賭博罪にあたります。あくまで法に従うならば、「負けたほうが昼飯をおごる」「負けたほうが今夜の飲み代を出す」といったレベルにとどめるべきでしょう。

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