2012年11月14日(水)

龍馬に学ぶ「大勝負人生」の流儀 -孫 正義

夢を持つ・育てる練習

PRESIDENT 2010年8月16日号

著者
孫 正義 そん・まさよし
ソフトバンク社長

孫 正義1957年、佐賀県生まれ。80年にソフトバンクの前身「ユニソン・ワールド」を設立。2001年に開始したADSL接続サービス「Yahoo!BB」を皮切りに、通信事業へ参入。

ソフトバンク社長 孫 正義 編集協力=大高志帆 撮影=小倉和徳
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16歳でアメリカに行った。20代でソフトバンクをつくった。30代でヤフージャパンを興した。40代ではブロードバンドに参入して、ボーダフォンジャパンを買収した――。私はいままでの人生で、5回の大勝負をしてきました。でも、まだまだやり足りない。私には、成さねばならないことがある。

ソフトバンク社長
孫 正義氏

私は「志高く」という言葉が好きです。15歳のときに『竜馬がゆく』を読んだのがきっかけで、目からウロコが落ちました。一度しかない人生、世のため人のために、引きちぎれるほど頑張って何か事を成さなくてはならない。志高く生きなければ、と思ったのです。

そんな矢先、語学研修でアメリカに行く機会がありました。そうしたら、やっぱりアメリカはすごいんです。規模も技術も、日本とは比べものにならない。いてもたってもいられなくなって、高校1年の1学期で退学届を叩きつけて、単身アメリカに行きました。

実はそのとき、私の父は血を吐いて入院していました。身を切られるような思いでしたが、母に泣かれても、担任に止められても、世間から冷たい息子だと言われても、私の意志は固かった。これから何十年も続く人生のことを考えたら、いま行かなくては、と思ったのです。

そんな思いで行ったアメリカですから、向こうでは歩いているときも教科書を読んだし、病気になっても授業は1回も休まなかった。食事のときも教科書から目を離さなかったので、冗談みたいな話ですが「両目で皿を見ながら食事したらどんなにおいしいだろう」と思っていましたよ。とにかく死に物狂いで勉強しました。そんな具合だったので、アメリカで高校に行ったのはたった3週間。その期間で3年分の教科書を全部読んで、高校は終わり。そのまま大学に行ったのです。

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