あなたが今日使った「お金たち」は、喜んで出ていったか

初めて入る店にお昼ご飯を食べに行ったとき、可もなく不可もない1杯500円のうどんが出てきたら、あなたはどんな気持ちでお金を払うでしょうか。

「あんまり美味くなかったけれども500円ならこんなもんだよな」と心の中で考えながら無言でお金を払うのか。それとも、「寒いときに温まらせてもらった。忙しいときによくしてくださってありがとう。また寄らせてもらいます」と声に出してお金を払うのか。

どちらも同じ500円なのですから、どうせなら後者の気持ちで払ってみるのはどうでしょうか。

感謝の一言とともに丁寧にお金を渡せば、人間は相手に息を合わせて応えるものです。「ありがとうございます。どうぞまたお越しを。お気をつけて行ってらっしゃい」と送り出してくれるはずです。

どちらの払い方がお金にとっても嬉しいか。それはお金に聞かずともわかることかと思います。

あなたが今日使った「お金たち」は、喜んで財布の中から出かけていったでしょうか。

「あの旦那さん、あの奥さんは気持ちよく使ってくれた。ほな、またあそこへ戻ろか」「もう、私らを投げるように支払って。痛い思いしたで。あそこところへはもう戻らへんで」とお金たちが言っていませんか。

財布から複数の1万円札を取り出す手元
写真=iStock.com/BBuilder
※写真はイメージです

現実においては必ずしも順守されているとは言いませんが、日本では最低賃金というものが決められています。基本的には、何か仕事をすれば少なくとも一定の額のお金をもらうことができる世の中です。わかりやすく言えば、3時間働くよりも8時間働いたほうが多く稼ぐことができる。1日24時間以上働くことはできませんが、人より稼ぎたければ人よりたくさん働けばいい。実に単純明快で、見方によっては「お金を稼ぐ」という行為は簡単なものなのです。