「どうでもいい質問」が場を盛り上げる

以前セミナーで、「おにぎりの具材は鮭派ですか? 昆布派ですか?」という質問をしたところ、想像以上に盛り上がったことがあります。実はこのお題、メンタリストで有名なDaiGoさんのYouTube「絶対に滑らない話題」という動画を参考にしたものです。DaiGoさんはこの動画の中で、ダニエル・ギルバート氏の実験を紹介されています。

被験者を2グループに分けて、一つのグループには面白い動画を、もう一つのグループにはつまらない動画を見せたとのこと。つまらない動画というのがまさに「おにぎりの具材は何がいい?」みたいなどうでもいいことを話し合っている動画です。

動画を見たあと、グループ内で自由に感想を語ってもらいました。普通、面白い動画を見たグループの方が会話が盛り上がりそうですよね。でも、結果は逆で、つまらない動画を見たグループの方が断然会話が盛り上がったというのです。DaiGoさんいわく、「『おにぎりの具材は何がいい?』『目玉焼きはソース? 醤油?』みたいに、どうでもいい話の方が自由に意見を述べやすい。だから会話が盛り上がる」とのこと。

たしかに、私が出演させていただいたテレビ朝日の「マッドマックスTV・論破王」では、いろんな芸能人の方が「蓋をあけるときの音は『パカ』か? 『カパ』か?」などのどうでもいいお題についてディベートしています。だからバラエティーとして面白いんですね。

「○○さんは海外出張が多いんですね」などと真面目な会話をしつつ、「ところで機内食はビーフorフィッシュどっちですか?」なんて質問されたら、一瞬「それ聞いてどうする?(笑)」と思いますが、笑いながら答えてしまいそうです。時々どうでもいい質問を差し込んでみると、会話に緩急がつきます。くだらない質問を不意に差し込んで笑いに変える。そんな技も一つ知っておくと便利です。

一流は、どうでもいい質問で笑いを生み出す
⇒自由に意見が出せる質問で会話を盛り上げる

話題が途切れたときにどう乗り切るか

【会話が止まったら】
三流は、携帯を触り出し、
二流は、無理やり質問を考え、
一流は、どう質問する?

ひとしきり会話したあと、急に訪れるあの沈黙。話すことがなくなり、ピタッと会話が止まる瞬間ってありませんか? 結構あの間が怖かったりしますよね。特に、あまり親しくない人との会話や、初デートなんかでは会話が続かないことがよくあります。

だとしても、会話が止まったとき、思わず携帯を触ってしまうのは悪手です。相手に、「話すことがないんだ……」「自分と話していてもつまらないのかも……」と思わせてしまいます。もちろん、そんなつもりはなくても、です。普通は、無理やり相手に質問するか、強引に話題をひねり出すか、どちらかですよね。でも、これも焦りが伝わり、相手も居心地が悪くなるので得策ではありません。会話が止まったときこそ、落ち着いて、優雅に、自然に、会話をリードしたいものです。

「会話が止まる」ということを悲観的に捉える人は多いです。でも、楽観的に考えれば、その前までは何かしら話をしていたということです。つまり、何か話題はあったということ。だから無理に話すことを見つけなくても、前の会話をフォローすればいいのです。

コーヒーを飲みながらおしゃべりをする人たち
写真=iStock.com/Farknot_Architect
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