人生後半を謳歌するにはどうすればいいか。還暦を迎えたプロレスラーの蝶野正洋さんは「50代は、それまでの不摂生や暴飲暴食とか、むちゃな生活のツケが人それぞれいろんな形で出てくる時期だ。毎日体のどこかに不調を感じながら過ごすのはとてつもないストレスになる。どんな仕事に就いている人も40歳になったら、今の自分の生活を見直した方がいい」という――。

※本稿は、蝶野正洋『「肩書がなくなった自分」をどう生きるか』(春陽堂書店)の一部を再編集したものです。

膝を痛めたサラリーマン
写真=iStock.com/Yusuke Ide
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50代でビジネスをリタイアしている人には男の魅力を感じない

俺たちの世代って、30代、40代あたりで成功を収めて、早めに引退することがステータスみたいなところがあったんだ。俺もご多分に漏れず、40歳くらいまでに、ある程度のものを残して、人生後半は好きなことをやるのが理想のレスラー像だと思っていた。でも、実際には現場の競争から外れた50代くらいの人たちが退屈に見えたんだ。

IT関連で起業して成功した人にも何人かお会いしている。

資産をつくって早々にリタイアした人って、いくらでも好きなものを飲み食いできるんだけど、裏を返せば飲み食いくらいしかすることがなくなるんだよね。そういう人たちって、異業種との接点など外の世界とのつながりがなくなっているから、正直、見ていてあまりカッコよく見えないし、男の魅力を感じなかった。

本人たちも、仕事こそが自分にとって社会との接点であり、生きる活力だと早々に気づくようで、しばらくしたらまた別の事業を始めている人がほとんどだ。

そういえば、周りを見渡すとビジネスで成功している人はおしなべて、よく言えばアクティブ、悪く言えば全然じっとしていない。でも、60代、70代になっても、年齢相応にビジネスに携わっている人のほうが、ちょっとキツそうではあるけど、やっぱり完全リタイアした人とは違って見えるし、俺の目にはカッコよく映る。

それを考えると、仕事って何だろうと改めて考えるよね。

金を稼ぐツールというだけじゃない。というか、主眼はそれじゃない。社会の中で活動している証しとでもいうのかな。間違いなく、その意味合いはあると思う。