スポドリとミネラルウォーターを1本ずつ

携行食を準備しよう

歩くとお腹が空きますし、疲れてくると気持ちが暗くなるので、携行食を準備しておくといいでしょう。

まず準備すべきは、塩分補給の携行食です。発汗すると身体からミネラルが抜け、神経や筋肉の機能低下につながります。塩タブレットや梅系のお菓子を常備しておきましょう。また、ゼリー、チョコレート、キャンディー、長期保存できるようかんなどを準備し、心が折れそうなときに食べると元気が出ます。甘味は心の栄養にもなるので、好きなものを選んでおきましょう。

飲み物を準備しよう

水分はあればあるほどいいですが、その分荷物が重くなり、体力が奪われます。被災時には、「災害時帰宅支援ステーション」などで補給を受けることができますので、準備する水分量は、最低限500mlのペットボトル2本ほどでも問題ないでしょう。

1本はスポーツドリンク、もう1本はミネラルウォーターが良いでしょう。ミネラルウォーターは傷口などを洗うことができ、スポーツドリンクよりも汎用性が高いからです。

手提げカバンではなく、リュックにしよう

普段、手提げカバンで通勤している人は、徒歩帰宅で長時間歩くとなると、腕への負担が大きくなり、体力を消耗します。

オフィスから徒歩で帰宅することを想定している人は、オフィスに災害用のリュックを準備することをおすすめします。腰ベルトがあるものだと、より負担が軽減されます。災害用のリュックに替えの靴下や携行食、飲み物はもちろん、ポンチョ、携帯ラジオ、コンパス、水筒、懐中電灯、いつもメガネをかけている人は予備のメガネ、スマホバッテリーなどの物品も準備して入れておくといいでしょう。

災害用のリュックと防災グッズ
写真=iStock.com/doble-d
※写真はイメージです

自衛官でさえ猛暑日や雨天は心が折れる

次に体力を温存し、無事に帰宅できる方法についてお伝えします。

気候・天候を見極めよう

徒歩で長距離を移動するときには、気候・天候をよく見極めた方がいいでしょう。同じ10kmであっても、「15度前後の小春日和」と「30度を超える猛暑日」では強度がまったく異なります。気温が5度以下になると、帰宅中の休憩時に熱が奪われ、低体温症になる恐れがあります。

天気の変化にも注意する必要があります。雨天になると体温が奪われ、心も折れてきます。身体を鍛えている陸上自衛官でさえ、猛暑日や雨天に行軍をすると、脱落者が発生する確率が高まります。空模様が怪しければ帰宅しない方がいいでしょう。