ゴルフ三昧の社長よりAIのほうが判断力は高い

議事録を要約するために会議にAIが参加するのが普通になってくると、AIは議事録をとりながら同時に社内の雰囲気も掴めることになります。

「この会議では全員が活発に意見を言っていた」とか、「この会議では部長しか喋っていなかった」ということが数値化されて見えてきます。

もちろん部長しか喋らない会議もあっていいと思いますが、そうした会議の頻度と部署の成績、とくに営業の進捗や開発の進捗といったことは簡単に数値化して相関関係を見ることができます。

会社のありようは業種や業態によっても違いますが、人がたくさん集まって同じ目的のために働いている、という意味では同じです。

ある会社の傾向を分析し、部署ごと、チームごとに「勝ちパターン」を学習したAIの方が、平日から接待ゴルフに出かけている経営者よりも適切な判断ができるのではないかと考えるのはごく当たり前のことです。

AIならば、PLやBSに隠された「気合いと本当の意図」に騙されず、「このパターンだと今年も失敗するので抜本的な対策が必要です。具体的には広告宣伝費を削りましょう」とか「出張を減らしましょう」などの対策を示してくれるようになるでしょう。これはただ「人手を増やしたい」と言うだけの部長より遥かにましです。

人間にはできない冷徹な人事も実行してくれる

人事もAIが大きく介入するようになるでしょう。

「この人はこの仕事に向いていません」「この人の給料は安すぎます」「この人はこの現場には不要です」といった判断を人間とは違って冷徹に、正確にやってくれるはずです。

もちろんそれに従うかは人間が決めることですが、ほとんどのことはAIの判断が正しいということになるはずです。

採用面接でも人間と一緒にAIが同席するか、一次試験の前に会話AIがヒアリングをして、社内のどの部署と話が合いそうか、そもそもこの会社に向いている人材なのかということを判断してくれるでしょう。

人事AIは、社内に欠けている人材のタイプを教えてくれるようにもなるはずです。