物欲が刺激されるように作られている

人の脳はポジティブな情報よりネガティブな情報に注目して、優先的に信じたり、記憶に残したりするネガティブバイアスという傾向があります。テレビはその心理を利用し、ネガティブなニュースを意図的に流しがちです。

結果的に視聴率が取れるからです。つまり、公共の電波を使った番組とはいえ、価値があるとか世の中のためになるとかとは別の理屈で番組がつくられているといっても言い過ぎではありません。

テレビを避けるべきもうひとつの大きな理由はコマーシャルに物欲が刺激される点にあります。

例えばYouTubeだったらプレミアムに入ればCMを無くすことができます。でも、テレビは物欲を刺激し続けるためにCMが必ず流れるような仕組みになっています。みなさんもテレビを見ていて、紹介されているものが欲しくなって、財布のひもがつい緩んでしまった経験が1度はあるはずです。

テレビを捨てることで、誘惑を避けられ、お金が自然と貯まるサイクルが加速します。テレビがない生活を検討してみてください。

小さい子どもがいるなど家族の都合で捨てられない人もいるでしょう。テレビを捨てて、家族が不仲になったら意味がありません。私がお話ししたテレビ制作のからくりを頭に刻んで、意識的にテレビから距離を置くようにしましょう。

「いつか」見る書類を思い切って捨てる

みなさんの家や会社には「いつか見るかも」と大事に保管している大量の書類があるはずです。実際には数年経っても手に取らず、引っ越しでもしなければ、「いつか」は永遠に訪れないのです。

契約書のように紙ベースで絶対に保管しなければいけない書類は別として、他の書類は思い切って捨てましょう。

書類をとっておくことはみなさんが思っている以上に危険な行為です。脳のパフォーマンスを下げかねません。

私たちの脳は優秀だからこそ、「書類を保管している」というどうでもいい情報も保存しています。ただ、当然ですが、それに対処するためにはエネルギーを消費しますし、脳にはキャパシティーがあります。結果として、脳がストレスを感じる可能性があります。

それでも捨てられない人は、どうしても必要だと思う書類や資料はスキャンするなど、電子化して保存しましょう。検索すれば一発で書類を見つけられますし、明らかに効率的です。

製品の説明書や空箱もいりません。今の時代はネットが説明書代わりになります。企業のホームページをたどれば商品の説明書はネット上に公開されています。

YouTubeで使い方を検索した方が映像付きではるかにわかりやすいですし、文章で情報が欲しい人もGoogleで検索した方が効率的です。

とっておくべき箱は鯉のぼりやクリスマスツリーなど季節性のある道具の箱ぐらいです。ものが少なくなることで、生活環境が整理され、心に余裕が生まれます。