「金持ち博物館」と「貧乏博物館」に分かれていくのか

国立科学博物館の篠田館長は10日のライブ配信で、「われわれのような多くの人に愛され、強い情報発信力を持ち、魅力的な返礼品を企画できる組織にとっては、CFは強力なツールだが、多くの自然史系博物館にとっては困難だ」と指摘。「多くの自然史系、科学史系博物館が地球の宝を守るためのミッションに加わることができる方法を考えていきたい」と強調した。

今、日本の科学研究力の低下が深刻な問題になっている。

文部科学省の科学技術学術政策研究所が8月に発表した調査結果によると、注目度が高く引用数が多い「トップ10%論文」数の国際ランキングで、日本はイランに追い抜かれ、前回の12位から過去最低の13位に後退した。

日本の研究力低下の原因のひとつは、政府が2000年代に入ってから実用化やイノベーションにつながるテーマを重視し、そこに研究費の選択と集中を行ったことにある。

この政策によって、「金持ち研究室」と「貧乏研究室」の格差が生まれた。

CFや寄付によって同じようなことを招かないように、国の役割をきちんと問い直すことを忘れてはならない。

【関連記事】
「日本のアニメを乗っ取る」と言われていたが…動画配信サイトの赤字が止まらない中国アニメ業界の大異変
だれが何をやっても日本円は紙くずになってしまう…日銀総裁が「東大の経済学者」となった本当の理由
注文殺到で新規受注は停止中…ホンダの「500万円のマニュアル車」がとんでもない人気を得ているワケ
「10万人の胃腸を診た専門医が警鐘」日本人の約5割が毎朝食べている胃腸に最悪の"ある食べ物"
「ねえ、ラブホいかへん?」夜の街で家出少女に声をかけられた牧師はどう答えたか