数千年にわたり「健康によい」とされてきたヨーグルト

パスツールは、ワインの発酵技術も開発しています。ワインにとってよい細菌を選別し、発酵のための適切な時間や温度なども明らかにしています。

もう1つ、ヨーグルトも忘れてはなりません。この食品は、「最高のサイコバイオティクス」とされています。

高田明和『65歳からの孤独を楽しむ練習 いつもハツラツな人』(三笠書房)
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ヨーグルトの出発点は、牛乳です。牛乳は加工を経て、ヨーグルト、バター、チーズなどいろいろな食品になります。

その昔、人々は、古くなって発酵した牛乳を飲んでみました。すると、飲んだ直後は酔っぱらったようになりますが、酔いがさめると気分がよくなり、元気になったと感じたのです。これがあらゆる部族で繰り返された結果、牛乳を発酵した食品としてのヨーグルトができあがりました。

ヨーグルトは数千年にわたり、「健康によい」とされてきました。

それは本当に正しいのか? この課題に真剣に取り組んだのが、免疫系の研究、あるいは加齢と細菌の研究で1908年にノーベル生理学・医学賞を受賞したロシアのイリヤ・メチニコフです。

彼は、かなりの高齢にもかかわらず、いたって健康なブルガリアの農民に会い、「ヨーグルトを飲んでいる」という食習慣に注目し、研究を始めました。そして彼自身もヨーグルトの熱烈な信者になったそうです。

ヨーグルトのほかチーズやバターなど、牛乳(牛以外の動物の乳もある)の発酵食品は、ラクトバチルス菌やビフィズス菌などのサイコバイオティクス微生物の産物です。

ラクトバチルス菌は乳糖を食べ、乳酸を作ります。それでヨーグルトは酸っぱい味がするのです。ただ、ヨーグルトには、そうした有用な菌ばかりではなく、生きた細菌も入っているので、とりすぎには注意が必要です。

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