2つ目は、頭の中が整理できていない人のパターン。話が行ったり来たり、同じ話を繰り返す人がいますが、これは話すことを自分でまとめきれていないのです。

こういう相手には「ということは、○○ということですね」といった感じで、上司の話す内容をまとめてあげる形で話を聞くのが有効です。そうすると上司の頭の中身も整理されて、堂々巡りをやめさせることができます。

3つ目は、しゃべりたい衝動が強い人のパターン。たまに、しゃべる機械のような人がいませんか。ああいう人はこちらが黙っていると、延々と話し続けますので要注意です。

しかし、このタイプは、話を途中で遮られても気にしない場合が多いものです。話題を変えたり、ほかに急ぎの仕事があるなどとこちらの事情を伝えると、気分を害することなくやめてくれるでしょう。

このように、どのパターンに当てはまるかを見極め、適切な対処をすることで、上司を不快にさせることなく早めに切り上げてもらえます。

理解の遅い部下には「5W1Hメモ」を使った指導を

では、相手が部下の場合はどうでしょうか。たとえば報連相のシーン。話が堂々巡りして何が言いたいのかわからないといったこともあるでしょう。こういう場合にすべきことは、その部下に基本的なコミュニケーションスキルが備わっているかどうかをまず見極めること。

報連相の基本スキルはありながらも、今回の内容に限って整理できていないなら、「それで何が問題なの?」と、わかりやすい順に質問をしていけば把握できるでしょう。相手が上司のときとちがって、話を遮りやすいので格段にラクです。

一方、基本的なスキルがない部下の場合だと、今後のために教育する必要があります。まず結論か話の核心から伝え、その後で理由や状況を簡潔に説明する、といった基本的なスタイルを教えるのも上司の仕事です。

ただ気をつけなければいけないのは、相手の脳のワーキングメモリーが極端に少ない人です。簡単なことが何度言ってもできない部下には要注意です。こういう人は覚えられる量が少ないため、いくら教えてもなかなかうまくいきません。

そういう人には報連相の際に、5W1Hでメモを作成し、それを見ながら説明するという習慣をつけさせること。そういう特別な指導も必要です。