株を保有している人でも株主総会に参加したことのある人は少ないだろう。渡部清二さんは「株主総会に参加することで投資がもっと楽しくなりますし、テンバガー(10倍株)も見つけやすくなります」という――。

※本稿は、渡部清二、複眼経済塾『株主総会を楽しみ、日本株ブームに乗る方法』(ビジネス社)の一部を再編集したものです。

会議室
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株主総会は新規上場会社のデビュー戦に行くのが面白い

株式投資は、株主総会に参加することで10倍楽しめます。私が参加するのは、時価総額500億円以下の中小型株の会社が中心で、会社が上場して最初に行う株主総会のデビュー戦には積極的に参加しています。

上場したばかりの会社ならどこでもやる気に満ち溢れているかというと、そうとは限りません。だからこそデビュー戦に行くことが大事で、デビュー戦で本人に会って話を聞けば必ずわかります。

とくに社長の思いが純粋かどうか、話が整理されてわかりやすいかといったことは、ライブで聞かないとわかりません。その意味で少し残念に思うのが、近年、事業報告を社長が行わない会社が増えていることです。

「事業報告については音声にてお伝えします」などと言って、スライドを使って事前に録音した女性の音声だけを流す。こうした演出を、私はまったく評価しません。実際、ある株主総会で社長に言ったことがあります。

「今日せっかく株主総会に来たのに、社長は杓子定規なことしか言わず、自分の言葉で説明しない。我々としてはライブ会場に来たのに、いきなり録音されたテープを聞かされたわけです。しかも本人の声じゃない。これって印象悪いですよね」。

このような演出になったのは、おそらく株主総会の本当の意味をわかっていないIRコンサルのアドバイスに従ったからでしょう。「間違ってはいけない」といった観点から、録音テープを使うことにしたのだと思います。

事業に対する社長の熱意がわかる質問とは

しかし株主としては、やはり社長が直接話す言葉を聞きたい気持ちがあります。とくに初めての総会なら自分の声で伝えるべきで、実際そうしている会社もたくさんあります。逆に言えば録音テープを使う会社は、「その程度の熱量」と判断することにもなるわけです。

またデビュー戦で社長が必ずしも思いを語るとは限りません。体感的には半分から3分の1程度で、こちらから質問をぶつけることも大事になります。

アパレル会社のTOKYO BASE(東京ベース)では「御社の関わっているマーケットは、将来どれぐらいの規模が見込めますか。そのとき御社の位置づけは、どのぐらいになりますか」と質問しました。あるいは「役員の方々は、どのような思いでそれに取り組んでいるのですか」などと聞くこともあります。

こうした話は、上場したばかりの社長なら本来、一番話したいことです。だから水を向ければ、どんどん話してくれます。ここから、その事業に対する熱意がわかるのです。

これが社歴の長い会社なら、社歴のある会社ほど、「わざわざ言わなくても知っていますよね」となります。そもそも株主総会では、ふつう社長から経営理念やビジョンを語ることはありません。招集通知にも、そうした議題や議案は書かれていません。

だからこそデビュー戦は楽しく、また質問の考えどころでもあるのです。