2024年からNISA制度が変わる。改正のポイントはどこか。ファイナンシャル・プランナーの菱田雅生さんと『日経マネー』発行人の大口克人さんの共著『日経マネーと正直FPが考え抜いた! 迷わない新NISA投資術』(日経BP)より、一部を紹介しよう――。
小銭
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最大の変化は「NISA制度の恒久化」

「いい制度なんだけど、ちょっとクセが強いところもあった」23年までのNISA制度。それが24年からどう変わるのでしょうか。

NISAの長所である「株や投信の値上がり益・配当・分配金が非課税になる」という点は、もちろん変わりません。最大の変化は、NISA制度が期間限定のものではなくなり恒久化されるということです。

今まではいわば夏の間だけ存在する「海の家」みたいなもので、その間は楽しくていいのですが、時期が来て制度がなくなったら我々の資産形成はどうなっちゃうんだろう、という不安が常につきまとっていました。そもそも「長期運用で資産づくり」と言っておきながら、制度自体には終わりがあるなんて矛盾した話でした。

その問題が今回スパッと解決され、ついに日本ではNISAが恒久的に続く制度となるのです。これは金融庁や政府の「だから安心して長期運用してください」というメッセージのようにも感じられ、個人的にもうれしく思っています。

「個人投資家の強み」が生かせ、全体的にシンプルに

2つ目の大きな変化が、これまでの5年や20年という非課税投資期間の無期限化です。24年からはもう「そろそろ5年だ。一般NISAの株を売るか持ち続けるか……」と悩んだり、ロールオーバーで面倒な思いをしたりする必要はなくなります。運用期間の終わりがなくなるので、プラスが出るまで持ち続ければいいからです。

個人投資家がプロの機関投資家より強い点は、機関投資家は決算期や年度末など一定の期日で資産を売らなければならないが、個人にはそれがないので「ずっと持っていることができる」点だとされています。それなのに5年や20年という期間に縛られて売らなければならないのは、本来はおかしな話でした。

今回はその点の理屈が通ってスッキリしますし、ロールオーバー廃止などにより、全体的にシンプルで分かりやすい制度に変わっています。本質的でない細かい部分で悩まなくてもよくなれば、NISAを使う人はもっと増えるでしょう。

例えるなら、走行性能や安全性能には問題ないけれどデザインが悪く、どことなく乗り心地も悪かったクルマが、次のニューモデルでは無駄のない美しいデザインに変わっていて、それに乗って長旅をするのもなんだか楽しそう。それを見た多くの人が「これなら乗りたいよね」と次々集まってくる。そんなイメージでしょうか。